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“お祖父さんの古箪笥”
幼稚園にいっていた頃
亡くなった家のお祖父さんは
昔、神戸の老舗の箪笥屋で大旦那をしていました。
事情により店を畳むまで
とても優雅な暮らしをしていたそうです。
お祖母さんはお洒落な人だったので
毎日髪結いの方が家に来られ髪を結い
着物や簪も毎日違う物を身につけて過ごしていたとの事。
ホンマの贅沢ってこういう生活な気がします。
お祖父さんの父親は、一人で
アメリカに行ってしまいその後は謎です。
そんな生い立ちなので
十代前半で丁稚奉公から修行を始めた叩き上げ。
気性も荒く、喧嘩っぱやい。
まさに職人気質ってヤツでしょうか。
そんな人でしたが
自分の奥さんにはお洒落をさせてあげていたのです。
物心ついてから父親から伝え聞いたのですが
波乱万丈な話の中でも、これは格好いいと素直に思いました。
記憶の中には孫には甘いお祖父さんしかいませんが
我侭に壮絶な一生を送った人でした。
家にはお祖父さんの作った古い着物箪笥と
職人の腕自慢に石を彫って作った
山水画風の小さな彫刻が残っています。
今は中身が空で壊れかけの着物箪笥ですが
いつか修理して
着物で一杯にしたいと思っています。
ヤマサキ
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