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一日一駄話
“茶室彼是(ちゃしつあれこれ)【83】”

本日は日曜日!数寄屋大工一家の箱入り娘、寺田 由のコーナーです!
先日、父のお遣いで弾丸、日帰り!で四国の香川県 高松市に行ってまいりました。
ゆったり穏やかな瀬戸内海を車窓から眺め、あっという間の列車旅。

到着したのは高松市の中心地にある中條文化振興財団です。

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中條文化振興財団とは・・・
百十四銀行の頭取で実業家でもあった中條晴夫氏によって設立され、氏の遺言によって茶室が建設されました。
茶の湯文化のさらなる隆盛、継承とその発展を願い、ひいては文化全般の振興を展望されていた遺志を受け継ぎ、現在は茶会や茶室の時間貸しなど幅広い振興活動を行なっておられます。
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こちらには大小の茶室のほか、広い厨房やテーブルでお茶を楽しめる立礼(りゅうれい)席など本格的な茶会や茶事が行える充実した設備が整っています。
30数年前、この茶室を建設したのが私の祖父と父でした。
茶室はどこも同じように見えて、もちろんそれぞれの「色」があります。
私もそんな違いがわかる繊細な感性の人間ではありませんが、それでも祖父や父の建てた茶室に一歩足を踏み入れると、「これはそうやな」と父の仕事がわかるのは今でも不思議な感覚です。

大人数の茶会を催せる「広間(ひろま)」
地元の高校生の茶会やこの場所を利用したヨガのワークショップなども行なっているとか。

少人数でプライベートな空間を楽しめる「小間(こま)」
経年変化で土壁が寂(さび)たとっても良い雰囲気です。
技術が進化しても出せないのがこの侘び寂びの空気感。


板の間に備え付けのベンチがあるのは「立礼(りゅうれい)席」
椅子と机でもてなすことができる他、お茶会の時には点心席となってお食事をいただける場所となるそうです。
その他、音楽のコンサートが開かれたこともあるそうですよ。

ありがたいことに、施設を管理する事務局長の中條さんにも直接お目にかかってお話を伺うことができました。
地元高松の高校の茶道部のお茶会のサポート、「お稽古」ではなく「ワークショップ」として催しとともにお茶の普及、そして気軽で楽しく自由なお茶を発信しておられます。
お茶のお稽古人はともかく、そうでない人にお茶のマナーを押し付けるのは失礼。
そうお話しされながら、ワークショップなどではお客様の格好も自由なかわりに、ご自身もあえてお着物ではなくシャツなどの気軽な装いでされるようにしているとか。
それでもやはり近頃のお抹茶の価格高騰、お茶人口の高齢化や人数の減少はタイムリーな話題。
一朝一夕に解決できそうにありませんが、お茶の文化やお茶の家元をお支えする一端を担う人間としては考えさせられることと同時に、もっと柔らかな優しい発想でないといけないな・・・と自らを戒められるような想いでした。
「自由」であることは生き残るための道でもあり、今を楽しむための道でもある。
そんな風に感じます。
何人かの友人から、お茶会で行ったことあるよ!という言葉をもらってとっても嬉しかったです。
私もまた、きっとこのお茶室にご縁があるはず。
お近くにお住まいの皆様、機会がありましたらぜひワークショップなどの機会に足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
《つづく》
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それでは、また明日。
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4 件のコメント
高松までの日帰り弾丸お遣い、お疲れ様でした。
お祖父さまや父上さまが建てられ、設えた建物や茶室をこうして触れられることができるのは、幸せなことやなぁ。
著名な建築家の建物もえぇけど、木の温かみを感じる建物・設えを見るのも何となく、ほっとしますね。
そこにさりげなく、"SOU・SOU"アイテムが場を引き立ていたら、なお良きかな☺️
kazu-endlix 様
コメントをいただきましてありがとうございます。
30年の時を経て本当にありがたい時間をいただいたなと思います!
確かに有名建築も見ものですが、実際に使用されている建築を肌で感じられる空間もいいですよね。
SOU・SOUもその場に相応しい使い所で登場できたら嬉しいです!!!
寺田さん、こんばんは。
日帰り弾丸ツアー、お疲れさまでした。
それにしても、遺言で茶室を作るようにっていうのも凄いですね。そして、それを守ると同時に気軽で身近なものとされているのも。
あと、グリーン車に乗れる寺田さんも←グリーン車に乗ったことない奴 苦笑
chabo様
こんにちは!コメントありがとうございます。
志のある素敵な遺言ですよね、そういった受け継がれる想いが何よりの遺産なのだと思います。
あ、グリーン車ですね笑
せっかく瀬戸大橋を渡る旅、海が絶対に見たいぞ!!!!ということでちょっぴり贅沢させてもらいました。
後から分かったのですが、グリーン車でなくても海は見れたようです・・・。