毎日更新!SOU・SOU読本
数寄屋大工一家の箱入り娘&SOU・SOU傾衣の看板娘、寺田由のコーナーです!

SOU・SOU茶室の天井は、あれやこれや実はこだわりがギッシリ詰まっています。
何気ないことですが普通の天井と違うところ、お分かりでしょうか。
普通、天井は平で均一ですよね。
ですが、SOU・SOU茶室の天井には傾斜が付いています。
これは「掛け込み天井(かけこみてんじょう)」というもので茶室の天井によく使われる手法です。
この傾斜があることで素朴な景色を生み出し、より空間の雰囲気を演出する効果があります。
実はSOU・SOUの茶室は室内にあるため、配線やダクトと言った物質的なものをうまく避けさせ、尚且つ天井を低くさせないためにもなくてはならないものでした。
また、天井の方向性をご覧ください。
一定間隔に並んでいる竿縁(さおぶち)と言われる竹が床の間に向かって平行に配されています。
床の間に向かって直角に竿縁が向くことを「挿し床(さしどこ)」と言い、茶室の中で最も格の高い床の間に向かって竿縁が向くことが無礼とされ、また武士の時代には「挿(刺)す」と言うことを忌み嫌うような意味合いもあったそうです。
これは天井のみではなく、畳も同じで縁は床の間と平行に敷き並べられています。
父の話を聞いていて、なるほどなー!と思うことは多々ありますが、堅苦しく感じる決まりにも実は合理的な理由があったり、その反対に理由がありそうだけれど実は自由なこともたくさんあり、一括りに茶室と言っても棟梁の知識やセンスによって仕上がりが全く違うものになるのだということを感じます。
それぞれの意味を知れば、もっと親しみの持てる空間になるかも知れません。
《つづく》
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
・店舗でお会計時に、〔今日の合言葉〕を言って頂くと、1ポイント差し上げます。
(1日に1ポイントのみの進呈です)
・毎日変わりますので、ご注意ください。
・店舗のみのサービスとさせて頂きます。
あしからず御了承願います。
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茶室は「見どころ」がいくつかあります。
僭越ながら、私はSOU・SOU茶室をつくった棟梁の娘として「見せどころ」と言わせていただきます。
お茶を嗜む者にとって、茶室は神聖な空間です。
その中で更に特別なスペースが床の間。
最近は床の間がある住宅もめっきり少なくなりましたが、小さい頃に床の間に上がったら怒られた・・・なんて経験がある方もおられると思います。(おてんばだった私もよく怒られていました!)
それがなぜかという床の間の起源は割愛しますが、とにかく茶室の中で一番「格の高い場所」それが床の間なのです。
そして、SOU・SOU茶室の見せどころが床の間の柱、「床柱(とこばしら)」です。
床柱で茶室空間全体の調和が決まってしまう、言わば影の主役。
ですので、普通の柱とは違い少し上等なこだわりの材が使われることが多いのです。
SOU・SOU茶室の床柱は「槐」の木が使用されています。
木偏に鬼と書いて「えんじゅ」と読みます。
槐は元々は中国原産の木で、出世や長寿、尊貴などとても縁起の良い木とされてきました。
そこで父はSOU・SOUがこれからも末長く繁栄するように、とこの槐の木を床柱に据えることにしたようです。
ボコボコと一定にはつられた加工は「名栗(なぐり)」と言われる日本に古来から伝わる加工。
(スタッフ西永の新居の廊下も名栗加工!贅沢!)
そしてちょうど花を掛ける目線の位置に白い部分があります。
「白太(しらた)」と言われる部分で、木の表面に近い新しい部分。
この白太があることが更に決めてになったようです。
白太の景色あってのこの床柱。
もはや素人にはわからない、大工の審美眼のようなものでしょう。
この白太をいかに美しく魅せるため柱の加工にもこだわったようです。
白太は木の表面に近い新しい成長過程の部分で立派な幹を加工した柱に少しだけ現れた新しい部分。
SOU・SOU茶室で伝統的な空間に清々しい景色を生み出したのではないかと思います。
ちょっと考えすぎかもしれませんが伝統の中の新しさ、SOU・SOUそのもののような気がします。
《つづく》
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
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先週は天井の「へぎ板」が色々な意味で「クセモノ」であった話をいたしました。
今回はこの写真にも写っているもう一つの「クセモノ」のお話です。
それは「煤竹(すすだけ)」。
天井に一定間隔で配されている竹は竿縁(さおぶち)と言われるもので注目していただきたいのは、この飴色に輝く竹です。
煤竹は字のごとく、煤で燻された竹のことですが、人工的に燻されたのではなく、茅葺きの古民家の天井や屋根裏で百年、二百年と燻されたもの。
元々は真っ黒だそうですが、きれいに磨くと飴色になるそう。
古民家も減少してるため数も少なく大変貴重なものになっています。
祖父も父も、仕事で使用する材料は必要な時に調達するのではなく「物がある時」に調達しています。
職人の高齢化、需要がなくなって生産されなくなったもの、昔はたくさんあったものがある日突然、手に入らなくなることは残念なことに良くあることなのです。
ですので、目の前にある時に手に入れると言うのが、父にとっては当たり前のこと。
そんなことで、父の煤竹ストックの中から、SOU・SOU茶室に必要なものを選りすぐりました。
自然のものなので、太さや色、節の形状など同じものはありません。
その中で並べた時に自然になるよう何百本とある煤竹の中から選別します。
そういえば、私のお稽古に通っているお茶の流派ではお茶を点てる際の茶筅(ちゃせん)は煤竹のものを使用します。
先生はお稽古の際にも煤竹の茶筅を使用させてくださるのですが、実はとてもとても高価なもの。
「なかなか以前と同じ価格では手に入らないのよ」と仰られていたことを思い出しました。
昔はありふれていたものが色々なところで「レア」なものになっているようです。
今は当たり前にあるものも大切にしたいですね。
《つづく》
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それでは、また明日。
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「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
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SOU・SOUの「そう」は「そう、そう」という相槌の「そう」
クリエイティブの「創」
装いの「装」
住まいの「荘」
かんたんの「草(そう)」
「かんたんの草(そう)」とは、日本文化の中で生まれた美意識を表現する「真(しん)・行(ぎょう)・草(そう)」の「草」のこと。
茶室はこの「草」の部類に入る建物なのです。
例えば、きらびやかな装飾が施された書院造りの建物が「真」であるとするならば茶室は素朴で簡素。
その詫びた世界の中に美を追求するものなのだと思います。
さてそんな「草」の空間、SOU・SOU茶室の天井を見上げてみます。
少し荒っぽい板が貼られていますが、これも実は茶室が「草」であることを示しています。
気持ちを少しだけ千利休の生きた戦国時代にタイムスリップしてみましょう。
喧騒からは離れた素朴な空間。
「草」の庵。
見た目に分かる華美なものはありません。
木・土・紙・竹どれも日本人の生活の中で身近なものをありのまま使うことを「美」としました。
今の時代なら、つやつやピカピカの板を天井に貼ることは容易ことですが、それでは全体的な「草」の空間のバランスが崩れてしまいます。
ですので、この「へぎ板」という板が貼られます。
「へぎ板」は杉の板を熟練の職人さんが薄くへつらった板。
一見、なんのこともない板にも見えますが実はこれが現在では「超」が付くほどの貴重品。
職人の手仕事でしか生み出せない「へぎ板」を扱える職人さんがおらず、へぎ板を求めて大工が血眼になって探すそう。
そのため祖父の時代から比べると2倍、3倍と価格は高騰。
ピカピカの板ならば機械で簡単にできるものを、今や「草」であるはずのへぎ板の方が高級品とはなんとも皮肉なことです。
さらに、へぎ板の中でも奈良県の「吉野杉」のへぎ板は扱いが非常に難しく特に貴重なものになっているそうです。
SOU・SOUの茶室にも無事に仕上げられた「吉野杉のへぎ板」。
板を入手するだけでも困難を強いられた天井、実はそれだけではありません。
写真をご覧いただけるとお分かりいただけるよう、室内に建てているSOU・SOUの茶室は既存の天井と茶室の天井との間がごく僅かしかなく、天井がカッツカツの状態。
同じ広さの天井なら2〜3日で終えられるものが、釘を打つスペースの余裕がなく1週間程度かったほど。
父曰く
「床より天井の方が上等や、絶対に濡らしたらアカンで!」
と言うことで、手垢が付くのも怖くて決して触れるまいと心に誓いました。
《つづく》
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
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「そこでお扇子を持ってにじり入るのよ」
「ニジリハイルってどういうこと?」
初めてのお茶のお稽古での出来事。
大人になっても分からない動作があるんだ!と、驚きと同時に戸惑った記憶です。
にじり入るとは・・・
正座しながら手をついてそのまま体を進める動き。
これは簡単そうに見えて意外とスイスイ進まない、修行の身には思わずよっこらしょ!と言葉が出てきそう動作です。
さて「にじり入る」という動作もそうですが、茶室には「躙口(にじりぐち)」という出入口があります。
「ニジリ」と言う学校では教えてくれない言葉。
そうです、コビトの入り口か?はたまた忍者屋敷のからくり扉かと思うほど不自然に小さい入り口。
「おもてなし」を礎とする茶道の世界で、お客様をわざわざ小さい戸から出入りさせるなんてちょっとトンチンカンなように思いますが、理由なしに何百年も受け継がれるはずもありません。
茶道の祖、千利休の生きた時代は戦国時代真っ只中。身分の階級が強い時代でした。
ですが、茶室の中では全ての人が平等で、どんなに身分の高い人でも刀を外して頭を下げて入らなければならない。
そんな時代の価値観を覆すものでした。
そのため、その昔は茶室には刀掛があったそうです。
なるほどなーと感心しながら、当時の千利休と秀吉の関係性を想像せずにはいられませんね。
さて、現代は刀を持った物騒な人もお殿様もおりませんので本当は別に身を小さくにじり入る必要はありません。
その代わり戦国時代よりも人類が少しだけ進化して日本人も全体的に大柄になりましたし、外国の方もお茶を楽しむことが多くなりました。
ですので父は場所や使われる人を想定し、場合によっては少しだけ躙口を大きく設計することもあります。
SOU・SOUの茶室にもちゃんと躙口がございます!
にじり入ることもできますよ。
躙口があることで、和室からぐっと茶室の雰囲気になります。
躙口の向こうに続く狭くとも無限な世界を持つ茶室、今も躙口が残っていると言うことは「茶室の中では皆平等」と利休が想う精神が受け継がれていると言うことですね。
《つづく》
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
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あしからず御了承願います。
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本日も京都芸術大学空間演出デザイン学科の学生よりお知らせです。
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SOU・SOUのブログをご覧の皆様、こんにちは!
京都芸術大学 空間演出デザイン学科3年生です。
7月16日(金)より公開しております「SOU•SOU×京都芸術大学」のwebショップ(~7月23日13:30まで)。
本日は、貫頭衣の柄について紹介します。
今年は、廃業された染屋さんからいただいた京友禅の型紙を使って制作した貫頭衣が多いです。
今年は、『風』『水』『光』と自然をテーマに、この地球にある美しさの源からFashionに脈動することができ、制作している間も、nationalなものを感じて本当の大切なものは何か、常に存在するシンプルなものに出会い、それを形にするということで複雑性を見出だし、コンセプトを考えたりと、幅広いテーマ故にいろんな人色の個性が現れたなと感じました。
今回みんなと制作できて嬉しく思います
ものづくりは地球、命、この世に存在する全てのものとの対話であり、貫頭衣という弥生時代に存在していたものを現代においても新しく誕生させることができて、この時代色々あるけれど、昔のものを今生み出すことに美しさを感じます。動物達は大昔からずっと変わらずに自然と向き合っていて、人も、昔は今よりも自然と向き合っていたと
人間だからこそある意識をつかって変化を感じとり、タイムスリップをしたアイデアをもとに歴史を遡って現代に反映させたアイテムです。
時間にフォーカスしたとき、いろんな魔法が発生するなと思いました。
このご時世なので、対面での接客販売はできないですが、文字や動画で少しでも想いが伝わり、つくった製品が皆様の手に届けば幸いです。
今年はwebショップのみでの販売になります。
店頭で実際に手に取っていただけないのが残念ですが、
Webショップでもお客様に魅力が伝えられるように頑張ります!
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そして、ここからは日曜日
数寄屋大工一家の箱入り娘&SOU・SOU傾衣の看板娘、寺田由のコーナーです!
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土壁に触れるとザラッとした砂がパラパラと落ちた経験、ありませんか?
先週は土壁は丈夫だとお話ししたのですが、「丈夫」と「デリケート」は意味が少し違うということで今週の話にお付き合いください!
土壁はペンキの壁と違い、経年劣化したから塗り替え!というわけにはいきません。
もしも土壁にキズができてしまい、どうしても気になるから修理したい!となると全ての壁を一からやり直さなければならなくなります。
想像しただけでも、やたら大掛かりな工事です。
ですが茶室は実際に使用して機能している空間です。
どうしたものか・・・。
さて、前置きが長くなりましたが茶室の壁をご覧ください。
壁の下部に紺色の部分があります。
これは「腰張り(こしばり)」と言い、藍染の湊紙(みなとがみ)という少し厚めの和紙が貼られています。
デザインかと思いきや、そうではありません。
腰張りの目的は土壁の保護のため。
その名の通り、正座した時に腰から背中にかかる高さに紙が貼られています。
なぜその高さまでなのかというと、着物を着た女性を想像していただけるとお分かりいただけると思います。
帯が壁に当たり壁を傷つけないように。
お客様の大切なお召し物(帯)を傷つけないように。
そんな配慮から貼られているものなのです。
また、茶道では座る位置にも決まりがあり、畳と並行に縁から自分の座る位置の前に間隔開けて座るのが作法とされています。
ですのでお客様は座った位置から畳の前のスペースを開けるため、どうしても後ろへ(壁側)と下がろうとして壁に触れてしまうことがあるのです。
では反対の壁を見てみましょう。
今度は白い湊紙が貼られています。
そして紺色の腰張りと違って高さも低い。
こちらは、亭主(お茶を点てる側)が座る位置。
亭主は壁を背にお点前することがあまりないため、腰張りを高くする必要はありません。
それに自分の茶室、細心の注意を払って壁をズリズリすることなどないはずです。
では、どうして紺と白で使い分けているのか?
その答えは「境界線」とでも言いましょうか・・・
色が違うことによって茶室に足を入れた際に「お客様の動線」と「招く側の導線」が一目瞭然ですね。
知らない茶室に通されて、どこに座ったらいいのかわからない!なんて時は腰張りが目印になるかもしれません。
実用的な理由だけではありません。
紺と白、腰張りがあることメリハリがついて空間が引き締まります。
どこを切り取っても限りなく質素でシンプル、無駄がないことに気がつきます。
いかにも日本らしいと感じるのは私だけでしょうか。
《つづく》
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
「WEB貫頭衣展(かんとういてん)」
・店舗でお会計時に、〔今日の合言葉〕を言って頂くと、1ポイント差し上げます。
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「建物の保存は壁で決まる」
そんなことを私の祖父が言っていました。
土の壁というと脆そうにも感じますが実はそうではないということであると私は解釈しています。
今は住宅でも土壁は使われることが少なくなりましたが土壁は高温多湿の日本の風土に合った壁なのです。
皆さん、土壁の下ってどうなっているかご存知ですか?
▼正解はこちら▼
土壁の下地になるのはこのような竹(小舞竹と言います)をひとつひとつ手作業で編んで棕梠(しゅろ)の紐で結んだもの。
※棕梠(しゅろ)とはヤシの木に似た木で、その皮の繊維でできた紐は腐りにくく麻紐より丈夫だそうです。
その上に土を塗り重ねていきます。
SOU・SOUの茶室は室内ということもあり、一部だけ竹を編んだ下地の土壁となりました。
土壁を塗るのは左官職人さんですが、祖父も父も壁が大事だというだけのこともあり職人任せにはしません。
時には、材料の土やその他の素材すらも自らの目で選びこちらから左官屋さんに支給します。
また土壁は土100%ではなく、中には稲藁が配合されており、その土を何ヶ月も寝かせて発酵させ使用します。
発酵することで藁の繊維が細かくなり糊の役割を果たす他、強度や耐熱が増すそうです。
壁の下地を見ていて、なんだか馴染みのある光景だな〜と思っていたのですが、それもそのはず!
SOU・SOU傾衣の店内は全体が竹で編まれた土壁の下地!(デザインですが・・・)
川勝店長曰く「牢屋みたい」ということですが、これは牢屋ではなくれっきとした伝統的な建築工法です!(デザインですが・・・)
《つづく》
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
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現場に入り、着々と進むSOU・SOUの茶室工事。
基礎的な材料がすっぽりと収まったところで、同時進行で進められるのが左官(さかん)工事。
つまり壁の工事です。たかが壁、されど壁。
茶室の壁は粘土を壁に塗った土壁です。
一見、土壁なんてどれも同じだろうと思うところですが、この土壁が茶室の印象を決めると言っても過言ではありません。
部屋の壁紙を白にするか、オフホワイトにするか・・・はたまた違う白に?
この感覚と同じで、土壁の色の濃さで茶室の雰囲気はガラリと変わるのです。
今回、SOU・SOU茶室に提案した色見本は3色。
こう並ぶと違いは歴然ですが、工事の段階でこの色見本だけで理想の茶室に仕上げるのは至難の技のようにも思えます。
父がSOU・SOUの茶室にはこの色が良いだろうと思っていた色があるのですが、ここは施主である若林の好みを確認しなければいけないところ。
幸い?偶然?奇跡的に?その両者の色が一致しところで落ち着きました。
あとは左官職人さんにお任せするだけです。
余談ですが、茶室の壁は経年変化によって色が変化していきます。
それは「ただ古い」のではなく「詫び」としての付加価値となります。
そして古い茶室が醸し出す雰囲気は新しい茶室では表すことの出来ない「美」となります。
数奇屋大工はその何十年も先の変化を見越して茶室を造らないといけないのです。
我が家の茶室も段々と壁の色が変化し、昼間でも薄明かるくてなんとも言えない空気感です。
お茶人さんの中には茶室を建てても直ぐには人を招かず、何十年も壁の経年変化を待つ人がいるほど壁の色の変化を重要視するそうです。
新しくて良いものは世の中に沢山あってわかりやすいですが、古くて良いものを見極めるのには「眼」が必要なような気がします。
《つづく》
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
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先週は素敵な金物屋さんとの出会いを熱く語ってしまいましたが、今回はその「金物」をご紹介いたします。
「釘(くぎ)」といえば恐らく皆さんの頭の中では同じ「丸い釘」を思い浮かべていると思います。
いわゆる一般的な釘は西洋から入ってきた「西洋釘」と言われるもので今回、私がご紹介したいのはこちらです。
「和釘(わくぎ)」と言われるもの。
大きな違いは丸ではなく四角いことや、打ち付ける部分の形状も少し違います。
機械的に量産されているようなものではなく、一本一本鉄を手で打って作られた少し不揃いな感じもまた魅力です。
丸い釘に比べて表面積が多い分、木材への食いつきが良く抜けにくいのが特徴。
頭の部分がT字になっていたり、折り曲げてあったりします。
サイズも種類も様々ですが、完全に打ち込んだりあえて少しだけ頭を出して使ったり・・・用途によって使い分けます。
この小さな米俵のようなものの中には和釘が何十本単位で入っており、昔はこのような形で販売されていたそうです。
茶室で使用する和釘は、細くて華奢な竹や土壁、柱の丸太など失敗が許されない一発勝負の打ち所が多く、床柱(床の間の柱)の釘などは打つ位置の明確な基準がないため打ち手のセンスが問われるところです。
そしてなにより、施主の大切な道具を掛けるのを一手に支えるのがこの釘となるわけです。
軽い物もあれば、重たい物もあります。
それを万が一落して破損などしては一大事です。
ですので、この釘というのが非常に大切だということがお分かりいただけるのではないかと思います。
たかが金物ですがとても大切な金物。
茶室の金物は華美な装飾はなくとも空間やしつらえを邪魔せず、ですがひと際「凛」とした佇まいが洗練された印象です。
茶室や和室に足を運ぶ機会があれば、そんな金物に注目してみるのも面白いかもしれません。
《つづく》
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それでは、また明日。
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本日は茶室工事から少し寄り道をして、茶室とは切り離せない「金物」をご紹介いたします。
ホームセンターに行けば果てしない数の釘やネジ、ハイテクな錠などの建築金物がありますが、茶室の金物は「和金物」と言われる少し特殊なもの。
特殊と言っても「今や特殊」なだけで元々は日本のものなので特殊というのも変ですね。
とある小さな金物店、そこは私と同世代ぐらいの若いご主人が1人で金物の商いをされています。
重要文化財の店構えからして代々金物で商いをされておられるのかと思いきや、自分で始められたとのこと。
しかも取り扱っている金物は和金物。
今では手に入らない昭和のデッドストックや江戸時代の骨董品のような金物が美しく陳列されています。
和金物は需要がないから市場には多く出回らないのかもしれません。
でもきっと探している人はいるし、探しきれず諦める人もいるはずです。
しかし、この店のご主人は「こんな金物を探している」と相談すれば次々と惜しげもなくぴったりな金物、むしろそれ以上の物を出してきてくれるのです。
その在庫や知識には驚きを隠せません。感動すら覚えます。
「有るものは有る、無いものは無いけど制作できるかも・・・」
もうどのメーカーも作らなくなった金物を制作したり、時には自分で手を加えたり、こんなものもあった方がいいと思えば開発したり。
とにかく金物への熱量は止まることなく、どれも興味深いお話ばかり。
不思議なことに、金物は昔のものの方が質が良いということ。
例えば襖(ふすま)の引手、技術も道具も進化しているはずなのに、昔作られたものの方が技術力が高く精巧に作られています。
さらにデザインも洗練されており今見ても心惹かれるものばかり。
ご主人の言葉をお借りすると
「いくら良い建具や襖紙(ふすまがみ)を使っても最後に取り付ける引手が安物では良いものにはなりません。やっぱり「格」が同じであってこその良い物なのです。金物は小さい物なので金物なんて・・・と思われがちですがそうではない。それが金物のチカラです。」
お話を伺っているうちに、なんとも言えない満たされた気持ちになり気がつけば3時間。
個人的にはとても良い商いをされていると尊敬の念を抱きましたが、その根底にはご主人の金物への愛が魅力的にさせているのだと感じました。
伝統的なものはあれもないこれもない!なんて言っていますが物も心意気も「ここに有る!」と叫びたくだなる出会いです。
和金物の話からは少し外れましたので、次回は茶室の金物のお話をしたいと思います。
《つづく》
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それでは、また明日。
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こちらの写真をご覧ください。
少しわかりづらいかもしれませんが、主要な柱に紙が巻かれているのがお分かりいただけるかと思います。
作業場で仮組みされたのち、柱に養生の紙をまきます。
言葉の通り、仕上げた材に傷がつかないよう保護するためのものです。
今は色々と便利なものがあるので、この養生も糊付きの紙などが一般的ですがうちは昔から「ふのり」を使っています。
「ふのり」ご存知ですか?
海藻の一種で食用のものとは少し色や形状が違い、乾燥させて板状にしたもの。
これを鍋で炊いて、トロっとした糊状にして使用します。
その都度、鍋で炊いて紙を貼るのはとても手間がかかりますが、建物が完成後に紙を剥がした時に木材に影響を与えず糊の跡も残りません。
そのメリットがあるため、あえてふのりを使用しているのですが今では入手困難。
なかなか昔のように安価では手に入らず、とてもに貴重になってしまいました。
我が家では大切に大切にちょっとずつ使うふのり。
昔は祖母や母が一日中、ふのりを炊いてせっせと作業場へ持って行っていたことが思い出されます。
良い匂いではありませんが、ムンと広がる海藻の独特な匂い。あの時のふのりの匂いが今では少し懐かしくもあります。
たかが養生、されど養生。
ふのりは他にも汎用性が高く、昔から色々な用途に使用されていたよう。
詳しく気になる方はコチラもご覧になられると面白いかもしれません。
これもひとつ、昔の人の知恵ですね。
《つづく》
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それでは、また明日。
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茶室工事が始まってからと言うもの、休みの度に作業場や現場に足を運び工事の様子を見守っていた・・・
と言えば聞こえはいいですが、何をするでもなく、ただ30分ほど作業を眺めて立ち去るというルーティン。
棟梁である父が陣頭指揮をとっていましたが、父が他の仕事で不在の際は兄が1人で黙々と作業をする現場も目にしていました。
今回はそんな兄の健闘をご紹介します。
兄が任されたのは床の間の天井。
何やら苦戦している様子は母を通して聞いてはいましたが、改めて当時の様子を尋ねてみました。
床の間の天井に用意したのは杉の板。
これを鉋(かんな)を使って削るのですが、
「薄い杉の板を鉋で削る」
どうやらこの作業に「技」が必要なようで、今ではこの技術を持つ職人さんが少ないそう。
ヤスリでは削るのは簡単だけれど、ヤスリで削ると木目がぼやける。
鉋で削ると経年変化で光沢と木目が立ってどんどん美しくなっていく、そのためには手で鉋を使って削らないといけない。
なるほど・・・
腕の見せ所というか、棟梁からも試されている大事な仕事だったのかと想像できます。
ここからは本人の口から出た言葉
「でも、薄い杉の板を削っていくとどんどんすり減っていって無くなるまでに仕上げないといけない焦りと、よりによって乾燥が進んだ特に削りにくい板。
なにより高価な板をダメにしたらとんでもないことになる!って分かってるから途中でホンマに泣きそうになったわ。」
▲削る前
▲仕上げ後
今では笑えるけれど、このプレッシャーはやった人にしかわからないものなのだと思います。
とにかく仕上がって良かった。
それにしても、床の間の天井は気にも留めないところかもしれませんが、実は職人の技が光る場所。
こんなエピソードを知るとじっくりと見たくなります。
そんな兄の足元にはひと仕事した足袋が少し誇らしげに見えました。
《つづく》
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
・店舗でお会計時に、〔今日の合言葉〕を言って頂くと、1ポイント差し上げます。
(1日に1ポイントのみの進呈です)
・毎日変わりますので、ご注意ください。
・店舗のみのサービスとさせて頂きます。
あしからず御了承願います。
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本日は日曜日、数寄屋大工一家の箱入り娘&SOU・SOU傾衣の看板娘、寺田由のコーナーです!
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昨年の4月頃から父と兄の2人で作業場で木材の加工作業を続けて8月頃に仮組み、9月にいよいよ建築現場での作業となりました。
実は材木を搬入するのも一苦労。
そして、一番の関門が基礎である柱を組み立てる作業。
父の言葉を借りると「逃げ場がないスペースにぴったりと収めないといけない」
例えて言うと、箱の中にぴったりと収まるように箱を組み立てる・・・と言ったところでしょうか。
ポイントは箱を「入れる」のではなく「組み立てる」のです。
以前ご紹介したように数奇屋建築の柱は「仕口(しくち)」という加工がされており、複雑に組んで建てるのでそれを箱の中に収めようとすると、単純に考えてもスペースに余分が必要になります。
それを限られたスペースでいかに組み入れるか。
まるで難解なクイズのようで、その仕組みを何回か父に聞いたのですが、残念ながら私には最終的に理解できませんでした。
茶室の建設予定地の建物内の限られたスペースにすっぽりと収まるような形。
単純そうに見えてそうではないのが職人の世界なんでしょうか。
一つ言えることは基礎の工事をしている現場はとにかく緊張感でピリついていて、親子と言えども余計な言葉を挟む余地はないほど。
床下の柱も天井も完成してからは目に触れる部分ではありませんが、もちろん妥協はありません。
基礎がきっちりと収まらないと全てに狂いが出てくるということもあるでしょう。
何事も基礎が大事。そしてその準備が大事になってくるのです。
《つづく》
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
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何でもコンピューターと機械があればできてしまう時代。
木材を加工するために使う機械こそ文明の進化かもしれませんが、父と兄がしている仕事は基本的には何十年、何百年と変わりない仕事のように思えます。
伝統は何も特別なものではなく「今日の仕事」を毎日続けていく襷なのかもしれません。
全ての柱を丁寧に加工する、そんな気の遠くなるような作業が終われば今度は「仮組み」に取り掛かります。
その名の通り、作業場内で茶室を組み立てます。
「やらなくていいなら、手間だからやらない方がいい。だけどやるのにはきちんと理由があるんや」
ということで、その理由が気になるところ。
一番わかりやすい理由は、建物全体の微調整をすること。
全て鉄筋で機械で加工するなら寸分違わず組み立てられるかもしれませんが、木は生き物でそれを作るのは人間です。
柱の収まりや天井の収まり、全体の調整が不可欠。
そして、一番の理由は現場(建てる場所)での作業期間をを最短にするため。
例えば、マンションやビルの中であれば作業が長くなればなるほど騒音などで近隣の方に迷惑となるため、予行で一旦組み立ててしまえば随分と工期は短くなります。
逆に屋外に建てる場合には一気に組み立ててしまうことで大切な木材を風雨にさらすリスクを減らすことができます。
それもこれも、数奇屋建築には柱に番付という印があるからできることです。
実際に立体形になるとワクワクが増すのも事実ですね。
《つづく》
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それでは、また明日。
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先週ご紹介した「番付」された柱の次の工程は「加工」です。
「この建物は釘を一本も使わずに建てられています。」
テレビなどでこんな風に紹介されているのを耳にされたことのある方も多いのではないでしょうか。
日本の伝統的な工法で建てられる茶室はボルトや釘ではなく木と木を組んで建てられます。
(釘やボルトを使用しないわけではありません)
立体のパズルのような仕口(しくち)と言われる複雑な加工を柱に施して組み立てます。
全ての柱が同じ仕口かと言えばそうではありません。
柱には番付と一緒に適材適所、全て計算された仕口が書き込まれており、それに合わせて一本一本を手作業で柱を加工します。
素人の私が見る限り、柱の加工が複雑すぎてどうして組み上がるのかが想像できません。
外れそうで外れない「知恵の輪」のようで、考えれば考えるほど理解が遠のきます。
それもそのはず、簡単に理解できれば「修行」は必要ありませんね。
父の修行中は親方や兄弟子に口も聞いてもらえないような時代。
ただただ先輩たちのすることを見て真似たり、仕事が終わってから木の切れ端で納得するまで軸組を勉強し、伝統的な木造の理論や技術を身につけたそうです。
《つづく》
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それでは、また明日。
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茶室工事は下準備が8割、現地で2割。
現場で行う作業よりそれ以前の準備の方がうんと時間がかかると言うことです。
やっとこさで着手したSOU・SOU茶室工事ですが、工事の進捗状況は作業場でしか確認できません。
毎日とはいきませんので、休日のたびにせっせと作業場に足を運び工事の様子を見学していました。
まず間竿(けんざお)を作ります。
一見、細長い棒に見えますが、これがとても重要な役割を果たします。
簡単に言うと建物の定規のようなもの。
建物全ての実寸法が書き込まれており、それを見れば構造、納まり、仕上がりや建具の大きさまで図面がなくてもわかるようになっています。
父曰く
「これ一本あったら、同じ茶室がいくつでも作れる」
とのこと。
素人目にはわからない、魔法の棒のようです。
さらに「墨付け(すみつけ)」と言う作業を行います。
墨付けは選んだ木材にそれぞれに合った「番付け」と言われる印をつけます。
まるでお相撲のようですがここでの番付けは、材木を組み立てていく時に必要な印のこと。
碁盤の目のように東西南北、イロハで柱に印を付けていきます。
番付けは数奇屋建築独特のもので、複雑な建物を組み上げる際に分かりやすくする役割があります。
番付を見ればどこで使われる材料なのか一目瞭然。
茶室で使われる材木はその場限りの貴重な材木が多く失敗が許されません。
墨付けを任されて一人前。
かつて父が若かりし頃、親方から墨付けを任された時には睡眠もろくにとらず必死になってやったそうです。
それほど重要な作業ということがうかがえます。
その後は番付に従い、一本一本の柱に加工をおこないます。
《つづく》
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それでは、また明日。
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社長の若林からの茶室の依頼はもちろん嬉しかったのですが、私には少しだけ不安に思っていることがありました。
それは、SOU・SOUで一緒に仕事をするスタッフの反応。
SOU・SOUのスタッフはそれぞれでお茶のお稽古に通っていますので全く馴染の無い空間ではないのですが、多様性の社会、色々な考え方があって当然だと思っていました。
茶室は極論を言えば、なくても生活のできるもの。
そして、今の住宅建築に比べるとコストがかかる建物というのが現実。
それにはきちんとした理由があり、むやみやたらに「高い」と言うわけではありません。
今の建築はオートメーションが進み、私たちが知りうる「大工の手間」というものが見えなくなってしまっているからだと思います。
私の小さい頃は今よりずっと、鉋(かんな)や金槌を持って仕事する大工さんが多くかったような気がします。
また、茶室建築ももしかすると「自動化」できるものなのかもしれませんが、父は一貫して手仕事。
言う言葉では片付けられない技術や長年の「勘」のような机上の計算式や理屈ではないものがあるようです。
また、材木や土、紙など茶室を作るのに必要なもののほとんどが日本に昔からある伝統技術を必要とするもの。
材料もない、仕事も少ない、後継者継もいない、と「ないない」のループでひとつひとつの価格が高騰しているのも事実。
ここまでくると茶室は「贅沢」の極みですね。
茶室を作ること、スタッフの皆はどう思うのかな・・・喜んでくれるのかな・・・
そんな思いもまた、私の中でループしていました。
しかし、そんな思いは取り越し苦労。
スタッフからは色んな疑問や質問が投げかけられてきました。
「お茶室ってどのくらいの期間で出来るの?」
「どうやって作るの?」
「何人で作業するの?」
「どこで作るの?」
「いつ出来るの?」
そして一番多く出てきた言葉は
「楽しみ!!」
なんとも嬉しい言葉!
準備も整い、後はみんなの期待にも応えるべく父に頑張ってもらうだけと言うことになりました。
《つづく》
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それでは、また明日。
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「夢のマイホーム」なんて言葉もありますが、茶室もある種の「夢」なのではないかと思います。
祖父や父に依頼をされる方のほとんどは憧れやこだわりを持った依頼主がほとんどです。
茶室は「自分の城」のような感覚に違いありません。
ですので設計段階で並々ならぬこだわりを父にぶつけてこられることが多く、あまりの熱意をぶつけてこられる時には、依頼主を説得することも父の仕事のようになることもあるほどです。
ですが、若林からのリクエストはとてもシンプルなものでした。
「細かいことはお任せしますんで、よろしくお願いします。」
「お任せする」ほど責任重大な言葉はありません。
以前にも依頼主の方に「お任せする」と言われて、しばらく頭を抱えていた父の姿がよみがえりました。
さて、SOU・SOUには衣類、生活用品、お菓子などありとあらゆる商品があります。
かつてはお風呂までありました。
もちろんその全てにSOU・SOUのテキスタイルが使用されており、テキスタイルは「SOU・SOUらしさ」の象徴でもあります。
そして、今や茶室のデザインは自由。
ガラス張りや円形、組み立て式、「マリメッコ茶室」なんてテキスタイルが主役のポップで可愛い茶室もあったほど。
そんなことで、父は父なりに「SOU・SOUの茶室」に対するイメージを膨らませていたようです。
私は自宅では仕事のことやSOU・SOUのことはほとんど話ませんので、父の中の「SOU・SOU」は日々の娘の私を通して見る「SOU・SOU」。
父の想像力を最大にしたところで行き着いたのは
SOU・SOU=数字の柄。
とても素直であながち的外れでもない想像。
そこで父は若林の意図する「お任せ」をより具現化させようと雑談を重ねます。
父「障子とか壁とか数字の柄にしますか?」
父は若林が面白い茶室にしたがるに違いない!と言う想像を膨らまし「障子が数字なのは想定内!」なんて思っていたのかもしれません。
(私も思っていました・・・)
しかし、予想に反して返ってきた言葉は
若「いや、普通でいいです。」
父「普通でいいんですか?数字にすることもできますよ!」
若「いや、茶室に数字(SO–SU–U)はいりません。」
父も私も正直、拍子抜けしてしまったのはココだけの話。
私たちの予想に反して若林の求めている茶室はとてもスタンダードなもの。
あっけなくいつも通りの茶室でいいと言うことになりました。
《つづく》
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それでは、また明日。
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SOU・SOUのお茶室構想から完成まで、実は約2年間の歳月がかかっています。
父と兄の2人で細々と仕事をしているため、大きな工務店のように複数の現場を掛け持ちして行うことが出来ず、常に目の前の現場に全力投球!
とても効率は悪いのですが、自分の目の行き届かない仕事はしないと言う根っからの職人らしい父の考え方です。
それにより、結果的にSOU・SOUの茶室工事を約2年もの間待たせることになってしまいました。
しかし工事が始まるまでの間、全くの手付かずだったかと言うとそうとも限りません。
茶室は木造建築ですので、多くの木材を使用します。
材料でもある材木とは、父曰く「出会い」だそうです。
ほとんどの場合、材木は材木商に行ってすぐに思うようなものが手に入るわけではあるせん。
ですので、求めている材木があると聞けば、日本全国を駆け回って集めることは日常茶飯事。
これを逃したらもう出会えないかもしれない!と思うような材木があれば、なんとかお金を工面して購入することもあります。
よく出入りする材木商であれば倉庫の中の在庫まで把握し「どこそこの倉庫の奥の棚の後ろにある材」と、店主も忘れているような材をピンポイントで注文することも。
また、茶室で使用する木材は少し特殊で「銘木(めいぼく)」と言われるものです。
「銘木(めいぼく)」とは、美しい木目や形の木材のことで主に専門業者が取り扱う希少なもの。
ピカピカに磨かれた丸太は気高ささえ感じます。
木材は、適材適所に使用されてこそ価値の生まれる不思議なものです。
ですので父は常に木材アンテナを張リ巡らせて使用する材料の選定を行っています。
SOU・SOUの茶室は小さい建物でしたが、規模の大きい建物になると、自ら山に入り材木を切り出したり、貯木場(木材港)、原木の競り場へ出向いたりもします。
そして伐採した原木は一年ほど雨ざらしにしてアクを抜き、その後、製材(板や角材にする加工)して再び自然乾燥させる工程を経て使用されます。
少し話は脱線いたしましたが、SOU・SOU茶室ができるまでの約2年の間にも材木屋さんへ行くたびに材木を求めたり探したりしていました。
材木選びも茶室造りの要となるのです。
《つづく》
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
・店舗でお会計時に、〔今日の合言葉〕を言って頂くと、1ポイント差し上げます。
(1日に1ポイントのみの進呈です)
・毎日変わりますので、ご注意ください。
・店舗のみのサービスとさせて頂きます。
あしからず御了承願います。
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SOU・SOUの茶室は4畳半あるかないか。
とてもコンパクトな空間です。
その茶室のスペースとは別で必要なのが「水屋(みずや)」
水屋はお茶室のお勝手のような役割を持っています。
お客様から直接は見えないものの、スムーズにお点前ができるように道具を準備して整える大切なスペース。
今の時代は水屋がなくてもキッチンのような場所があれば、水屋は必要ないのでは?と思うところです。
様々な事情でキッチンなどで代用されることはあると思いますが、父は断固として水屋を置くことを薦めました。
備え付けとして造るスペースがなければ、「置き水屋」と言う方法もあります。
その名の通り、箪笥のような形で移動することのできる水屋。
必要な道具を置いておくこともでき、水瓶から水をすくって濯いだ水はタンスの引き出しの中に溜まるシステム。
父が水屋を薦める一番大きな理由は、SOU・SOU茶室がお茶のお稽古の場になると言うこと。
水屋での立ち居振る舞いも大切なお稽古。
そして茶道では「大切に道具を扱う」ことがとても重要な心持になります。
キッチンではシンクの位置が高い上、万が一、大事な道具が金属の蛇口などに当たってしまっては一大事。
大切に道具を扱うことも大切なお稽古の一環なのです。
最終的にSOU・SOU茶室の水屋は小さいながらも茶室の外にスペースを確保することができました。
現代は物がありふれているので、ついつい効率を先に考えてしまいましたが、昔は茶道具は「宝物」だったに違いありません。
そう考えると水屋の存在や扱いは当然の成り行きとなるわけですね。
あることが当然だと思っていましたが、新しい「なるほど」と思う発見でした。
《つづく》
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それでは、また明日。
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店舗でお会計時に、以下に掲載している「今日の合言葉」を
言って頂くと、1ポイント差し上げます。(1日に1ポイントのみの進呈です)
毎日変わりますので、ご注意ください。
尚、これは店舗のみのサービスとさせて頂きます。
あしからず御了承願います。
今日の合言葉は 「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
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