毎日更新!SOU・SOU読本
本日は日曜日!数寄屋大工一家の箱入り娘、寺田 由のコーナーです!

SOU・SOUに入社してから始めたお茶のお稽古。
ということは、もうかれこれ7年!?
石の上にも3年、畳に正座7年。
三日坊主常習の私が、やめてしまおうと考えることがなかったは先生の楽しいお稽古のおかげでしかありません。
先日、新たにお免状をいただくことができました。
▲許状と先生にいただいた紹巴織(しょうはおり)の帛紗
お茶の世界のお免状は資格とは違い、取得期間に一定の条件があるものの、基本的には師匠である先生の判断でお家元にお許しを取り継いでいただくというシステム。
つまり「許状」は合格証ではなく許可証。
しかし、いざいただけるとなると
「こんな程度の私がいただいてもよろしいのでしょうか」
と謙虚さに見せかけた、弱気な本音が顔を覗かせます。
嬉しくもあり気も引き締まる想いではありますが、お免状をいただくごとに段々と心細くなっていくというのが素直な感想です。
お許しをいただくお点前は「相伝」と言い、テキストやマニュアルのようなものが存在しないため、内容は師匠から弟子へ口伝によって伝えられます。
相伝のお点前はお稽古を通して会得していくしかありません。
もちろんそれだけの心持ちを持って教えていただく特別なことではありますが、お稽古を精進し続けるという意味では決して特別なことではないように思います。
お茶の世界は知れば知るほどに、点前という作法の他に知識や教養といった底なしの学びに気が遠のいていく思いです。
なんでも調べれば答えがわかる、便利でシンプルな一問一答の世の中に慣れすぎてしまった副反応みたいなものかもしれません。
色々な考え方があるかとは思いますが、やはり私の中には「お茶は愉しむもの」という祖父の姿が大きく存在しています。
簡単で目にみえる成果を求めてしまいますが、お茶のわかりにくい成果を長い時間かけて「愉しむ」ということを実践していたのかも知れない、と今ではそんな風に思ったりします。
まずは、恥をかき捨てながら自分でやってみる!を実践してみようと思います。
《つづく》
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
・店舗でお会計時に、〔今日の合言葉〕を言って頂くと、1ポイント差し上げます。
(1日に1ポイントのみの進呈です)
・毎日変わりますので、ご注意ください。
・店舗のみのサービスとさせて頂きます。
あしからず御了承願います。
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俵屋宗達の「風神雷神図屏風」で有名な京都・祇園の建仁寺。
宋(中国)で禅を学んだ栄西禅師が茶を日本に持ち帰り伝え広めたと言われています。
▲境内には茶の木が植えられており「茶碑」もあります。
境内の牡丹が見頃となった4月20日は栄西禅師のお誕生日。
この日は毎年で「四頭(よつがしら)茶会」なる茶会が開かれています。
現在の茶の湯文化の礎でもあり独自の茶会でもあるため京都市の無形民俗文化財にもなっています。
以前、「ぜひ行ってみたい!」と私が言ったことを伊勢木綿店長の本間が覚えていてくれており、お誘いが嬉しく喜んで行って参りました。
朝イチで受付を済ませても、順番が回ってくるは午後の席。
その間に副席(他流派が設けた茶席)や精進料理をいただきながら順番を待ちます。
▲裏千家のお席は
茶会の意図や場所柄を汲んで全て男性のみで運営されてました
さて、受付の時点で渡された引換券に燦々とする「1」の文字。
これはもしや・・・と思い、受付の方に「もしもお正客の席でしたら私はご遠慮させていただきたいのですが」と申し出るものの取り合ってもらえず。
(※正客とは、茶席で招待客の代表の客。大勢の集まる茶会では本来、お茶の先生や僧侶などなど、とにかく私のような若輩がその席に座ることは天と地がひっくり返ってもないことです。)
しれっと「2」の受付札を持つ本間に
「本間店長、よかったら交換しません?」
と打診してみるも
「いや、大丈夫です!」
とちょと悪い笑顔で断られ・・・。
腹を括って恐れ多くも受付番号「1」の正客を受け止めることに。
ここで「四頭の茶会」のミニ知識を。
建仁寺のお堂の四つの角にそれぞれ1名の正客と6名の相伴客(同席する客)がぐるりと堂内を囲むように配されます。
そこへ建仁寺の僧侶が4手に分かれそれぞれ客の腕に湯を注ぎ茶筅を振ると言うのが流れ。
一応、解説VTRもあります
席順に整列後、席入りいたします。
私が通された席は室町時代の虎のお軸の前
入り口には黒い袈裟の僧侶がずらりと並び、中央の卓で焼香をした後に僧侶が一斉に動き出します。
規律正しい動きは足運びから指の先まで一つ一つに一切の無駄がなく、僧侶と客の一体感はそのひとときを俗世から切り離した非日常感。
私から見える景色は全て逆光であったため、より小宇宙空間にいるかのようでした。
緊張感というよりも放たれる空気感に圧倒され、作法云々ということはすっかり忘れてただただ、その時間を惜しむように身を空間に委ねる思いでした。
実は途中ちょっと分からない作法もあったのですが、僧侶の方が小声でそっと教えてくださったので私のお役目は特になく終わりました。(ほっ!)
こんなにも素晴らしい機会、またあるのでしょうか・・・
と終わった後に少し切なくなってしまいましたが、本間と「来年も来られるように、頑張ろう」と言いながら提灯が灯る祇園町を離れました。
《つづく》
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
・店舗でお会計時に、〔今日の合言葉〕を言って頂くと、1ポイント差し上げます。
(1日に1ポイントのみの進呈です)
・毎日変わりますので、ご注意ください。
・店舗のみのサービスとさせて頂きます。
あしからず御了承願います。
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春を待ちわびたように、あちこちで行われるお茶会。
春の善き日、お誘いを受けて伺ったお茶会ではお茶席(お茶とお菓子をいただく席)の後に「香席(こうせき)」があり、初めての香席体験をしました。
場所は石川県加賀市山中温泉にある市指定文化財「無限庵」
と言う和歌を主題に組まれた(プログラムのようなものでしょうか)と言うことでした。
加賀にちなみ前田利家の和歌は豊臣秀吉と吉野に花見に行かれたとき詠まれたそう。ちょうど外は桜が満開!おぉ、なんと風情のあることでしょう。

さて、組香(くみこう)の豆知識。
組香とは3つのお香を順番に聞いて、どの香りがどの香であるかを当てるもの。
ここでお香は「匂う」とか「嗅ぐ」ではなく「聞く(きく)」と表現します。
そして大切なことは当たるか当たらないかという「勝負」ではなく「遊び」を愉しむものだそうです。なんと雅な。

香炉を持ち、茶碗のように手の上であしらって手で覆いながら香りを聞きます。
お茶のお稽古でもお香を聞く所作を習ったことがありますが、大先輩のお香を聞く優雅で美しい姿。
私も見よう見まねでいざ香炉を手にあしらいふーっと香りを聞きますが、素直な感想は
私の苦心する表情を見てか、
「イマジネーションを働かせるのよ」
と大先輩からのお上品なアドバイス。
笑顔で誤魔化してみるも内心は気もそぞろ。
3つのお香を聞き終わると、硯の横の小さな短冊状の紙に名前と答えを書いて提出します。

全てがで揃えば全員の答えを大きな半紙に書き、答え合わせをします。
もちろん3つとも当たっていれば◎
同席した兄はなぜだか全問正解
席主の方のお話では、香りを色に変換する、景色や食べ物に変化させるなど香りと記憶を結びつけるイメージは人によって違うそうです。
絶対音感のある人は音階に変換させたりするそうですよ!
たまたま席をご一緒した方から、かつて私の祖父も同じこの場所で茶会を催しており、その席に伺ったのよ!という話を聞きました。
なーんにも知らない私たち兄妹は「そうなの?」と顔を見合わせて感激し感慨に浸りました。
《つづく》
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そして本日はこどもの日!
というわけでジャパネスク村のこどもの日の様子をどうぞ・・
それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
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2024年、1ヶ月が過ぎようとしてます。
新年の目標を立てられた方も多いはず。皆さんは何か目標に向けて実行されていますか?
私はというと、3日坊主ならぬ大抵のことは思考実験の段階で終える始末。
まずはそこからと言った感じです。
さて、いつかいつかと思っていたことを思い立ち自宅の茶室の扉を開けました。
普段の生活するスペースとは離れているため、毎日立ち入ることはなく2ヶ月に一度くらいが良いとこです。
使用するには、まだまだ知識も経験も少なく持て余すことが目に見えており、私のような若輩者はまだ立ち入りが許されていないものだと、かなり都合よく解釈し、見て見ぬふりをしながら月日が経っていました。
でも、本当はもっと自分にとって風通しの良い場所とならないものか?と、長い間いつも頭の片隅にはそんな想いがあったように思います。
とは言っても、不精者がいきなり使うにはハードルが高すぎることは自覚しており、まずは茶室とお近づきになりたい!と茶室の戸を開けてみました。
本当の本当に「開けただけ」ですが、不思議といつもとは違い空間が「生きている」ように思えたのです。

露地(庭)には小さなお客様も!

また同じように玄関を開けて塵を掃き清め、水を打って香を焚いてみました。

こうなると、ちょとお茶でも一服どうかしら?という気にもなります。

そう言えばお茶のお稽古に行くと、必ず入り口には水が打たれ、お香の香りがお稽古へと誘ってくれます。
お茶の先生が当たり前のようにしてくださっていることが、気持ちの切り替えの合図でもあり、心地良さの正体であったのか!と何気ないことをしただけで改めて感じたことも新鮮な発見です。
そういったわけで目標にすると頑張ってしまうので、今年はこれから気長に茶室と仲良く過ごせたら良いな・・・
と想う今日この頃です。
《つづく》
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
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お正月に生けた蝋梅の蕾がポン!とハジけてほのかな春を感じます。

お正月気分も束の間。
もうすぐ暦の上では春だというのに、京都はまだまだ北の山が白くお化粧していることの多い今日この頃です。
急激に身近になった「オンライン」によって、移動も時間もコストの無駄も省いて「コスパ」なんて言葉で色んなことを片付けられるようになりましたが、コスパの良さが豊かさとはなかなか相入れない意味であるということ、人が集うということがいかに人間の生活に必要不可欠なものなのかを思い知らされた数年間でもありました。
一時「オンライン茶会」なるものが俄かにというか・・・致し方なしに行われた時期もありましたが、恐らく皆が「これじゃない」と気が付いたために今に至るまで広く根付くことはなかったように思います。
とは言え、あの時期に誰かとおしゃべりしながらお茶をする時間がどれほどの心の癒しとなったかは想像に易いことですよね!
やっぱりお茶はリアルでしょ!と気づいた私たちは、同じ空間を共にすることに一期一絵の歓びを再び感じられるようになりました。
最小限の無駄を除いた茶室という空間に全てを集約させ、また同時に自由を解き放ったように思います。
さて・・・
自由を解き放つもなにも元来自由な我が家では、何かにつけて家族で集いたがる父のひと声により不定期ながら定期的に急遽催される茶会。
極小空間の「小間(こま)」といわれる茶室に家族5人が寄せ合います。

この日の主菓子は手作りのタルトタタン!(フォークで食べちゃう!)

これだけ見るとなんだか素敵なホリデーナイトのように見えますか?
そう見えていたら良いのですが、何がって・・・・ここには電気も暖房もありません。
家族全員が各々の防寒対策に白い息を吐きながらの我慢大会・・・ではなくてお茶会。
「赤々と燃える炭の火にシュンシュンと湧き上がる釜の湯が温かい。」

というのは、確かにそうではあるのだけれど、そう思えるのは恐らくヒーターがこの世に無かった時代か、私の心が純粋さを忘れてしまったからだと思われます。
寒さの我慢大会最初の離脱者はもちろん私ですが、皆が口を揃えて「さっむーーーーっ!!」と言いながら終わるものの最初からわかっていたはずなので、もしかすると我が家族全員がよほどのもの好きかも。
もしくは、極限状態で行う茶会は何かが「整う」のかもしれません。(個人差があると思われます。)
それでもこうして狭い空間に「わざわざ」集まるのには「お茶の愉しみ」を知ってしまったが故か、何かまだ知れぬ魅力があるからかもれません。
《つづく》
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
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お稽古がいつもにも増して楽しみになりますが、今回は機会があって出かけたお茶会のおはなし。
436年前に豊臣秀吉によって開催された北野大茶湯(きたのおおちゃのゆ)。
私も歴史の教科書でなんとなくなんとなく見覚えのある出来事。
安土桃山時代のスーパー茶湯のフェス!的な感じでしょうか。

北野天満宮では毎年それに因んだ献茶祭が行われています。
京都にある茶道お家元4千家と2宗匠が輪番で6年ごとに担当されています。
ご時世もあって、大規模な茶会へはなかなか出かける機会がありませんでしたが、今回はご縁があって幼なじみと一緒に行ってまいりました。

お家元や宗匠が御神前に供える献茶式の他に、神饌(しんせん)のお下がりをいただく拝服席や上七軒の芸舞妓さんがお茶を振る舞ってくださる華やかな副席など、近隣にいくつものお茶席が設けられ、それぞれ趣の違うお席を楽しみます。

幼なじみに色々と教えてもらいながら自分たちのペースで境内をぐるりと4席まわることができました。
お茶のお道具、しつらえの他にも亭主とお正客(上座に座る上位のお客様)の会話、先輩方の美しい所作、お着物の装いなどなど普段のお稽古では学べないことばかり。
「お茶会でお家元や宗匠方をお支えするのも私どもの役割ですよ。」と先生が常々お話しされていることを思い出し、単なる行事ではない意味を深く考える機会でもありました。
今回のお茶会には約600人ものお客様がいらしたそうです!
お抹茶でお腹がチャポンチャポンになったところで、境内のもみじ苑をお散歩。

個人的なことではありますが、祖父の代からお茶がご縁でお付き合いのあった幼なじみ。
幼い頃は祖父の催すお茶事のそばで、お道具屋さんやお料理屋さんに遊んでもらっていた私たちが2人でお茶会へ行けることが感慨深く、また天国のお互いの祖父の顔が浮かぶような1日でした。
次はどんなご縁があるのか、今から楽しみです。
《つづく》
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
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今年は「にほんのかたち」をテーマに毎月新しいテキスタイルをお届けしています。
今月のテキスタイルは「大工道具」
少しマニアックなようにも感じますが、よく考えてみれば大工道具も立派な日本独自のもの、文化でもあります。
以前、大工道具の博物館で見た外国の大工道具と日本の大工道具は全く違う物でした。
神戸・竹中道具館の展示
世界には様々な文明がありそのスケールには驚くことが多いですが、日本でも今から遡ること1400年前の聖徳太子の時代には法隆寺の五重塔、もとより古代には出雲大社の空中神殿など巨大な木造建築を建立していたといわれています。
今ほどに文明が発達していない時代、その時代の大工の知恵と技術の手元にはテキスタイルの中に登場するような「大工道具」があったに違いません。
今は巨大な重機から電動工具までありとあらゆる便利なものが多くあります。
もちろん私の父や兄も工具や機械を使用して仕事をしていますが、手元には必ず大工道具があります。
こちらは兄が修行時代から少しづつ集めた自慢の大工道具。

どんなに寒い冬の朝も道具の刃物研ぎから始めます。
柄や台は自分で仕組んだ物に交換し、道具を収める箱ももちろん自作のもの。きれいに並んだ道具はいつでも使えるよう今か今かと出番を待っているようです。
道具を見極め、自分で手入れしながら大切に扱う。それも一人前の大工の要素。
今ではあーだこーだと父と兄の大工道具談議が始まったら止まりません。
もちろん、SOU・SOUの茶室もたくさんの手仕事を経て完成しました。




父や兄の手は長年の仕事で皮が厚くなりザラザラ・ゴツゴツしていますが、私は幼い頃からこのゴツゴツした父の大きな手が大好きです!道具を使わない職人はいません。
職人の「手」が扱う大工道具には静と動の美しさがあるのではないかと思います。
《つづく》
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
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ようやく秋の気配を感じられるようになりましたね。あんなに酷暑でもちゃんと季節は巡るのかと少し安心しました。
入社以来、続けてきたお稽古。
基本的に左利きな私は、はじめの頃は右手で柄杓を持つのものやっとこさで、プルプル手を震わせながらお湯をたらたら…っとこぼして心の中で何度叫んだことかわかりません。何もかも左手を先に動かしてしまったり、紐の結び目が逆になったりと左利きの受難は今では笑い話ですが、その度に(今も)先生が根気よくご指導してくださったおかげでこうして楽しんで続けることができているのだと思います。
お稽古を続けながら季節の和菓子で一服したり、お花を生けたりと何かしらお茶とは遠からぬことをして自由に楽しむことが日常になっています。
決して特別なことではなく、普段の生活の一部もしくはその延長のような感覚です。

夏には蓮畑のおじさんにいただいた蓮を華包に

羊羹が入っていた青竹、捨てるのがもったいなくて
穴を塞いでベルテッセンを一輪

おやつに洋菓子もいいけれど、季節の和菓子の選択肢を増やすのも身近な日本文化体験。
お芋や栗など、美味しい味覚の季節ですね!
私たちSOU・SOUのスタッフもお茶のお稽古を通して、それぞれの茶湯の世界そして日本の文化に向き合っています。
色々な美しさを発見したり、他者への配慮を学んだり多くの価値観を育んでいるのだと思います。
時代によって物質的な価値観は変われど、お金では買えない価値の多くを文化の中から見出しているのでしょう。
かくいう私もまだ見ぬ「ほんまもん」への探究心はどんな時も失われることはありません。
解剖学者の養老孟司さんが、著書の中で
「文化は癒しである」
と言っておられました。
続けて
「これは理論ではなくそれ以外のもの、むしろそれ以外の全て」
とまで明言されています。
(「ヒトの壁」新潮新書)
文化が癒しとして今日まで様々な文明の中で環境に根付いて生き続けていることを考えると、とても納得のいく言葉です。

文化が癒しであるならば、SOU・SOUが提案する新しい日本文化が何かしらの癒しとなり、そして喜びとなることでこれから先も続いていけばこんなに嬉しいことはないですね。
これからも日本文化を通して私たちも何かしらを社会へ貢献できればと思います。
《つづく》
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「風薫る」季節の言葉がぴったり!深呼吸のしたくなる季節ですね。
本日は茶室彼是ちょっとだけ番外編として、季節の華包(はなづつみ)をご紹介したいと思います。
華包、SOU・SOUのスタッフも自宅や実家にと各々で楽しんでいる様子。
魅力はなんと言っても誰でも簡単に花を生られる手軽さですが、そのバックグラウンドには由緒ある伝統と歴史があることが何よりの文化的魅力です。
この魅力を伝えたい!と言うのも率直な気持ちですが、この文化が生活に馴染みながら今後も続けばいいなと言うのが個人的に心から思うこと。
せっかく青葉も芽吹いてきたことです。それならば!とSOU・SOU各所に設置している華包に花を生けてみることにしました!少しだけお付き合いくださいませ。


端午の節句に合わせて京都各店に生けたのは小菖蒲。
家の裏に群生している小さくて雅な小菖蒲は華包にぴったりのサイズ!

花がない・・・
でもSOU・SOUの植木に青々と揺れる紅葉。
そうか、葉っぱだけでも美しい!それが今の季節の贅沢な楽しみ方かも。

家族が育てる山野草の小さな花壇。
小さくて可憐な草花から、よくわからない摩訶不思議な植物まで様々。
その中でも一際かわいらしいピンク色で存在感を放つ撫子。

私が物心ついた頃から毎年同じ場所に咲くムラサキツユクサ。
どこにでも咲く草花も、たった一本でも様になるのが華包の良いところ。
私が言うのもアレですが、上手い下手は正直よくわかりません。
植物素人の私でも生けることを楽しい!と思えるのはちょっとした発見でした。
それに、植物師匠である家族に庭を観察しながら「旬」をリサーチし華包に生けたら良いかも!なんて妄想したりするのも楽しく、歩いているだけで花が目につく回数が劇的に変わりました。
先人のように花で季節をより身近に感じることができるようになれば、忙しない日々の中でも少しだけ豊かさを感じることができるかもしれませんね。
★オマケ★

小さくて妖艶なヒメシャガは杜若のご親戚。
華包には少し小さすぎたのですが、かわいいので店頭に生けました!
《つづく》
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花の時期もひと段落とは言え、かつての賑わいを取り戻しつつある京都。
京都は定期的に開催されるお茶会が日々どこかしらであるのですが、ここ数年の世情もあり大人数での茶会は中止が続いていました。
そんな状況下でご高齢の先輩方などお稽古をやめられた方も大勢いると耳にしたり、実際に私の通うお稽古場でも長い間お稽古を控えられた社中さんもおられます。
そんな中でも少しづつ各地でのお茶会が再開されているということで、お誘いをいただき訪れたのは京都祇園の八坂神社。

お茶会なんて一体いつぶりなのか・・・。
お行儀よくできるであろうかと、一抹の不安が残りながらも先輩方の後へ続けと席入りをしました。
ズラリと並ぶお客様に混ざり私の隣にはお着物を着た年配の女性。
「不慣れなものですが、本日はご一緒させていただきます。」
とご挨拶すると、
「こうやってまた、お茶会ができるのがありがたいわよね〜。」
と、話しかけてきてくださいました。
本当につくづくその一言に尽きる気がします。
まだ所々に配慮の感じられる場面はあるものの、お道具、お花、お菓子と久しぶりのお茶を通して見る世界はとても明るく華やいでおり、まさに春爛漫です。
そうだ、この感じ!と、ひとつひとつを思い出しながらその時の喜びを噛み締めるような時間。
普段から真面目に(!?)お茶のお稽古をしているわけではありませんが、一朝一夕に得難い「感覚」がとても新鮮であり尊く感じます。
場の空気そのものが一期一会。
私が余裕を持って楽しむには100万年早いですが、たくさんお勉強させていただいたお席でした。
また行きたいなぁ、と楽しみが増えます。
そうそう、この日は伊勢木綿手ぬぐい「茶道具」を数奇屋袋にに忍ばせていました。

今までありそうでなかったユニークなテキスタイルです。
私を含め茶道具好きな家族もこのテキスタイルには歓喜!
もちろん、お茶会でお点前を披露した知人にもプレゼントして結局みんなでおそろいに。
SOU・SOU的な茶道具のかわいい!を共有しました。
あーそうだ、お茶の先生にもお贈りしようかな・・・
またひとつ先生との話の花が広がりそうです。
《つづく》
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皆さま、こんにちは。
大雪のニュースかと思えば季節外れの暖かさと、新年早々に目まぐるしい今日この頃です。
さて、本日はお花のはなし。
季節やシーンによって花の種類や花器を選ぶ茶室のお花。
お茶会の席でお花を生ける所作があるため、日々の気楽なしつらえもお稽古(修行)ですが、先生や母の知恵と技を借りることも多々。
ルールが気になったり型にハメようとして、知らず知らずに花を生けることに不自由さを感じていました。
昨年末に発売された京都華包研究会監修の「SOU・SOU華包(はなつつみ)」をご覧いただきましたでしょうか。

見た目にも日本らしい文化を感じる華包。
これなら私にもできるだろう・・・
と言うのが正直なところで、自宅で挑戦してみることにしました。
花束とは違いお花は最小限の1〜2本あれば十分です。
私は春の匂いに誘われて求めた水仙と、庭の椿を用意しました。


水仙は華包の後ろに付いているフックを使って床の間に。


椿は庭の腰掛けに置いて撮影しましたが、室内で置き花にして飾っています。
企画ページでは、お家元方がとても楽しそうに華包を生けておられる写真が印象的です。

伝統ある別々の流派が一つの文化を復活・普及させるために一緒になって取り組まれると言うのは、実はとても凄いことなのではないかと思います。
「好きこそ物の上手なれ」ではありませんが、何ごとも楽しさに勝るものはないということですね。
私は引き続きお茶のお稽古は精進し、たまには気楽にお茶をしたり花を生けたりと自然な日本の文化を生活の一部として楽しめればいいな〜!
と、毎年こんなことを言いつつ、お稽古はいつまでものらりくらりです。
皆さまもぜひ、ご一緒に日本文化の楽しさを共有できれば嬉しいです。
今年も不定期ですが「茶室彼是」にお付き合いくださいませ!
どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
《つづく》
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気持ちの良い秋空が続いております。
京都にも行楽シーズンの到来です。
今年は千利休生誕500年の節目の年だそうです。
京都には茶の湯に関係した大小の美術館がとても多く、どの美術館も特徴やみどころがあります。
お茶を身近に感じられるところが京都らしく、またそんな節目の時期には、それぞれの美術館でトピックをリンクさせた展示が行われたりと京都らしい楽しみ方ができるのも個人的には良いなーと思うところです。
さて、本日ご紹介するのはこちら。
京都国立博物館で開催中の特別展「茶の湯」

楽しみにしていた展覧会に早速、行ってまいりました。
内部は撮影禁止ですので、言葉でお伝えしようと思います。
「盛り沢山!」
とにかくこの一言に尽きます。
これも、あれも、それも国宝!
こんなに一度に見せてもらって良いのでしょうか!!
本当に「茶の湯」の全てがここに集まった!そんな贅沢な展示が終始続きます。
また、私たちが「茶の湯」と想像できる時代以前の茶の湯のルーツとも言える時代の展示が非常に丁寧にされていたことに驚きました。
仏教との関わりから、有名な戦国武将たちとお茶の関係性、壮大な歴史ドラマを観ているかのようです。
千利休の弟子でもある茶人、古田織部は利休から「人と違うことをしなさい」と言われていたそうです。
あえて弟子にそう言い残した利休にももちろん織部に対する信頼あってのことだと推測できますが、なかなかそれに応えることは容易いことではありません。
利休が確立した『侘び寂び』と言われる新しい美の価値観に対して、織部はあえて崩した茶碗や継いだ茶碗など、破天荒とも言われる『動の美』を表現しました。
一見わかりにくい造形美は、表現者の想い哲学がきちんと伝わることで成立し、人々の心に刻み込まれる。
現代の私たちが見てもその哲学的な魅力と新鮮さを感じるのは、織部の美意識が闇雲なかっこよさではないことを証明しているようにも感じました。

んー、今夜は「へうげもの」をもう一度読み返そうかな・・・。
《つづく》
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
・店舗でお会計時に、〔今日の合言葉〕を言って頂くと、1ポイント差し上げます。
(1日に1ポイントのみの進呈です)
・毎日変わりますので、ご注意ください。
・店舗のみのサービスとさせて頂きます。
あしからず御了承願います。
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本日は日曜日!数寄屋大工一家の箱入り娘、寺田由のコーナーです!

すっかり秋になり、野道に咲く秋色の草花が夏の間に高揚した気持ちを落ち着けてくれるようです。
空気が澄み、帰り道には大きなお月様がとてもきれいに見えます。
「あー、秋だなぁ。」としみじみ。
そんなお月様の綺麗な季節、いただきものお菓子にこんなお菓子が入っていました。

とらや謹製 『残月』
半月の形をした生姜入りの焼菓子。
残月とは、有明の空に浮かぶお月様のこと。
薄っら浮かぶ白いすり蜜は薄雲を表現していとのこと。謂れを知るとなんとも風情のあるお菓子です。
季節にちなんだお菓子は和菓子の醍醐味でもあります。
「残月(ざんげつ)」と聞くと、もう一つ思い出すことがあります。
お正月に決まって尋ねるお宅にはお茶室がいくつかあるのですが、いつも通される応接間の手前には一際大きな和室がありました。
よく見るものより大きな床の間の柱には結柳。お正月の言祝ぐしつらえに、厳かな空気は言葉で言い表せない日本の美意識を感じる空間。
歳を重ねるごとに息を呑む思いで見ていました。
「このお茶室はいつ見ても、ええなぁ。清々しいわ。」と思わず言葉にすると決まって母は「あぁ、残月やなぁ。」と言うのです。
その時は気にもしていませんでしたが、「残月」と言うこばを聞くとその時の空気がよみがえります。
その母の言う「残月」がこちらのこと。

『茶の湯 こゝろと美 表千家監修 不審庵文庫編 河原書房』参照
茶道、表千家の「残月亭(ざんげつてい)」この茶室の作りを模した茶室のこと。
私たちがイメージする床の間よりもぐっと奥行きがあり、天井の高さにも動きがあります。
利休の聚楽屋敷にあった書院を写したものと言われており、いかにも厳かな雰囲気。
この残月亭は、上段の柱に太閤豊臣秀吉がもたれて突上窓(今でいうところの天窓)から月を眺めたことに由来するそうです。
ちなみにその柱は「太閤柱」と言います。
本やドラマで見る秀吉のイメージからは想像しにくいですが、戦国の乱世に生きて茶に精神世界を求めたロマンを感じますね。
その時に眺めた月と私たちが眺める月もきっと同じ月。
なんて・・・。
気持ち良い夜空、皆さんもぜひ秋の空を見上げてみてくださいませ。
《つづく》
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それでは、また明日。
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「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
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朝晩と過ごしやすくなり、窓を開ければ虫の鳴く声が心地よいこの頃です。
今や電子書籍にモバイルコミックが主流の時代ですが、私はもっぱらの紙♡ラバー。
読みたい本を探すときは、本棚の奥をゴソゴソと掘り出すのが大好きです。
我が家には祖父が残した本が多く残っています。
建築やお茶に関係する本が特に多く、もはや日本語でも読めない漢字の羅列に目眩を起こしそうな本や、季節の花や道具がレトロなカラー印刷された本まで様々です。
最近、たまたま手に取った本で、気に入ってペラペラと眺めているのがこちら。

「茶のこころ 一日一話」千宗室著
表紙の写真からして歴史を感じるこの本は昭和58年に出版されたもの。
先代の裏千家家元、現在の千宗玄大宗匠がお書きになられた本です。
一日一話ずつを気軽に読めるように、平易な文章で書かれたコラムです。
一つの話に日付がついているので、その日の文章を読んで季節を楽しむのも良し、パラパラとめくって目に止まった記事を読むのも良し。

私はもっぱら後者ですが、せっかくなので本日、8月28日の記事を覗いてみましょう。
一盌のお茶が目の前に出た場合、自分が先に座っているのだから、隣の人に何もわざわざ「お先に」ち言わなくても、さっさと飲めばいい、お点前をしている人に「お手前いただきます」「ありがとうございます」と、挨拶しなくたっていい、その人は点てるためにそこでお手前をしているのだから、という論法が出てくるかもしれません。しかし、それは自分勝手であって多くの人と一会をしようと思うなら、そこにおいてお互いに譲り合っていこうという気持ちの良い雰囲気を作らなければなりません。
隣の人より自分が先に飲むのですから「お先に」と、そしてお手前をしていただいた人には、自分のために、これほどまで色々な道具を媒介にして、湯加減を整え、お茶を点ててくれたのだと、感謝しなければなりません。
※「茶のこころ 一日一話」千宗室 著より引用
もちろん、主たる話題はお茶についてですが、私たちの暮らす俗世に通ずる人生哲学のようにも感じます。
礼儀作法やお稽古の心得、禅の心、自然のこと、人との付き合いについてなど、様々な経験をされてきた大宗匠だからこそのお話し、大切に心の宝物にしておきたい教えやお話も多く、いつ開いても心の拠り所となってくれるような一冊です。
物事の当たり前という傲りや、人に対する思いやりなど幼少期に親から教わるであろう、生きていくための基礎を見失ってしまった時、どうにか心を落ち着けて己の信念と素直な心に立ち戻ることが一服のお茶にはできるということ。
猛スピードで世の中の価値観が変わる中、この約40年前の本の内容は揺るぎない日本人の精神価値を私たちに伝えています。
伝統が物質的なものではなく『人の心』だと言うことの証明でもあります。
ペラペラとめくっては、ふぅーん、なるほど・・・。
と、出てくるのはため息ですが、いつか私の心の中の記憶から大宗匠の言葉が飛び出てくるかもしれません。
さて、皆さんは夏休みの宿題終わりましたか?
そろそろテレビから「サライ」が聞こえてくる頃です。
(こちらも私の伝統!私は毎年サライを聴きながら宿題をしていました。)
夏の終わり、暑さをちょっと名残惜しく思いながら、一服のお茶でどうぞゆっくりとしたひと時を過ごしましょう。
《つづく》
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
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数寄屋大工一家の箱入り娘&SOU・SOU傾衣の看板娘、寺田由のコーナーです!

約1ヶ月間続いた祇園祭もいよいよ終盤へと差しかかりました。
3年ぶりの宵山や鉾の巡行とあって、京都の街中は賑やかな日が続きました。

なんせ1ヶ月の間、何かしらの行事が京都の街で行なわれるとなれば祇園祭の楽しみ方は様々です。
通勤途中に行事に出会したり、休みの日に町歩きを楽しんでみたりと普段とは少し違う京都の街。
今年は開催される!との情報を聞きつけ、楽しみに訪れたのが四条室町を少し上がったところに鉾を建てる菊水鉾のお茶席。

菊水鉾が建てられる場所には、かつて千利休の茶の師である武野紹鴎(たけのじょうおう)が住んでおり、この場所にあった「菊水の井」と言われる井戸にちなんで「菊水鉾」と名付けられたそうです。
(武野紹鴎はお茶を簡素化させた「詫び茶」を確立したと言われています。)
お茶席は期間中、日毎に各流派が茶席を受け周りで担当します。
私が行った7月15日は遠州流の担当でした。

鉾のすぐそばの会所に椅子と机が並べられ、壇上で亭主がお点前を披露されます。
祇園祭や菊水鉾にちなんだお道具や室礼を拝見するのも楽しみです。
お客さんは気楽に楽しめるのが嬉しいですが、大勢のお客様を前にお点前をするとなると緊張するだろうな・・・。
なんて、余計なことを考えてしまいました。想像しただけで手が震えてしまいます。
気楽なお客(私)はと言うと、目の前のお菓子に釘付けです。
お菓子は亀廣永謹製「したたり」という黒糖の虎狛羹。

菊の葉の露を飲んで700歳まで生きた不老長寿の薬水という中国の故事に因んだお菓子。
それでなくとも、いろんな人から「ゆうちゃんは長生きしそうと!」言われていますが、不老長寿の縁起を持つ菊水鉾でいただくと一層ありがたみが増します。
※「したたり」は期間中、菊水鉾でも購入することができますよ。
そして器は菊の花を模ったもの。
この器は各自で持ち帰ることができ、色違いのお皿をコレクションしている方も多いそうです。
菊水鉾の場所だからこそ意味あるお茶席。
毎年人気なので、事前に申し込むのがおすすめです!
普段はなかなか目にすることのない他流派のお点前も拝見でき、他の鉾とは少し趣の違う雰囲気を楽しめました。
お社中の皆さんお揃いの浴衣も素敵ですね。

当たり前だった祇園祭も久しぶりとなると楽しさも一入。
あれもこれもと、ついつい欲張って楽しんでしまいました!
SOU・SOUのスタッフもそれぞれにお気に入りの鉾や祇園祭の時期には必ず訪れるスポットがあるようです。
やっぱりみんな祇園祭を楽しみにしていたんだなぁ!
最後は仕事の後にみんなで宵山へ繰り出しました。

ここはお茶ではなくて、もちろん大人の水で♡
来年も、10年後も、50年後も100年後も変わらず祇園祭を楽しめますように・・・。
《つづく》
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それでは、また明日。
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SOU・SOUプロデューサーの若林は京都芸術大学で授業を行なっているのですが、学生さんが作品のタイトルに悩んだら和菓子の名前を参考にすると良いとアドバイスするそうです。
「和菓子の名前には風情のあるものが多く、知らないような言葉でも季節を感じるものや意味のあるものがあるから参考になるよ!」
ということ。
そう言われてみると確かにそんな気もしませんか?
ついつい、花より団子?いや、風情よりあんこ!と食いしん坊の血が騒いでしまっていました。
ということで、若林のアドバイス通り今月はお菓子の「銘」に注目しながら和菓子を楽しみましたのでご紹介いたします。
『更衣(こうい)』虎屋謹製
衣替えの時期に3日間だけ販売されるお菓子。
モダンなシンプルな見た目ですが、表面に掃かれた和三盆が涼しげな夏の衣を表現しています。
なるほど、そう言われれば6月の風が頬撫でるよう!
ちょっと大人な色気を感じるお菓子です。
『雨上がり』ZEN CAFE(鍵善良房)謹製
どんよりとした薄雲の梅雨空にコロンと色鮮やかな紫陽花のよう。
そぼろ状になった餡を餡玉に丁寧に付けて作られる「きんとん」。
定番の和菓子も色で季節を見事に表現できる美的感覚に感動すら覚えます。
ちょうど、店内にも儚げな紫陽花がいけてありました。
神様は憂鬱な季節も楽しめるように紫陽花の神秘的な色を創ったのかしら?そんなふうにも感じます。
皆さんはどんな雨上がりを想像しますか?
『水仙妹が袖(すいせんいもがそで)』虎屋謹製
日本人だってパッと見て意味のわからない日本語は多い。
「妹(いも)」というのは妻や恋人、姉妹などの女性を親しんで呼ぶ言葉だそうです。
そんな妹(いも)の纏う夏の軽やかな衣から紅白が透ける鮮やかで愛しい気持ちのお菓子。
私も兄がいるので、そんなふうに想ってくれるでしょうか・・・
いやいや、私のことは「妹」より「芋」だと思っているだろうな。残念。
お茶のお稽古を始めた頃、ありとあらゆるものに「銘」をつけて尋ねる作法が不思議でなりませんでした。
道具にもお菓子にも銘はなくとも相手に伝えることができるのに!
なんて・・・今思えば、我ながら風情のないことです。
ですが、こうして丁寧に物事の見つめると和菓子の銘ひとつとっても、短い言葉で最大限に想い感じることができ、その向こう側にある物語への想像力を掻き立たせます。
なんとも繊細で優美な感性ですね。
これからは食いしん坊をちょっぴり封印して、季節や風情を楽しみ、美しい日本の言葉と仲良くなりたいと思います。
《つづく》
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それでは、また明日。
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数寄屋大工一家の箱入り娘&SOU・SOU傾衣の看板娘、寺田由のコーナーです!

数奇屋大工一家に生まれただけで、お茶を嗜むというより気ままに楽しんでいるだけの私のたわいもない話。
今回はちょっと番外編!として父と私のお出かけにお付き合いくださいませ!
大人になってから一緒に出かけることもなくなってしまいましたが、ある日の休みに娘サービスしてやるか!と思う父と、たまには親孝行してようか!という私の思惑が奇跡的に一致し、一緒に出かけることに!
朝早くから出かけた先は大手建設会社が開設した神戸にある日本唯一の大工道具の博物館「竹中大工道具館」。
少々マニアックにも思えますが、展示はかなり充実しており見どころ満載!
大工道具の展示から社寺建築の解説まで、どちらかといえば大人の方が楽しめてしまう内容です。
私は以前にも訪れたことがあるのですが、ここはやはりプロの大工さんを連れて行く方がより見聞が広がるだろうという下心・・・。
道具のことについては正直よく分からないところもあるのですが、私が特に気に入っているコーナーは「棟梁の言葉」という展示。
法隆寺や薬師寺といった数々の歴史的建造物の改修や修復に携わられた宮大工の西岡常一棟梁の言葉。
大工の世界で知らぬ者はいないほどの棟梁です。
祖父も父も「棟梁」として仕事をしている姿を見て「責任者」や「現場監督」とは違うニュアンスで理解してきた「棟梁」という存在がより具現化された言葉。
この言葉を目にしたとき、歳を取っても山へ足を運び木を見極めていた祖父の姿がふと目に浮かびました。
そして記録に残る緻密なメモや計算。
一見、経験や長年の勘がモノをいう世界のように感じますが全ては計算。
施主、建物、材木、職人、全ての些細なことにも気を配ることができなければ、棟梁は務まらないのだと思います。
大工でなくても全ての人に当てはまる部分があるのではないでしょうか。
さて、自由行動すぎる父を捕まえて見学したのは数奇屋建築のコーナー。
実寸大の茶室駆体があり、実際に中に入って見学することができます。
解説というより非常に小言がうるさい。
私の祖父は一緒に美術館に出かけると、展示してある茶道具全てに値段を付けながら鑑賞をするという曲者でしたが、父もなかなかの素質の持ち主です。
ですが、色々な考え方や信念を聞くと数奇屋建築がいかに概念化されず繊細で美的センスが集結された建物かということが具に感じられます。
結局いつも仕事(建築)の話しかできない父娘ではありますが、それもまた我が家らしい休日です。
《つづく》
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それでは、また明日。
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薫風に揺られ青空を雄大に泳ぐ鯉のぼり。
5月5日は「端午の節句」ですね。
もともとは中国からの文化が独自に進化していった「節句」。
慌ただしく過ぎる日々で、ついつい忘れてしまいがちになる季節の移ろいや行事ごと。
時代に合わせて手軽になったり、簡単になったりするのも良いですが季節の節目にほんの少し立ち止まって家族や身の回りの人々の健康や幸せを願ってお祝いする文化が日本的でいいなぁ、と思います。
我が家の床の間も早々にお雛様を仕舞い、端午の節句に合わせて母が鎧兜を設えました。
端午の節句に飾る鎧兜は武家社会から生まれた風習だそうです。
兜は子供の体を守り、力強く育って欲しいという願いを込めて飾られています。
武家や侍と聞くといかにも「大和魂」などというような気になってしまうのは、武家への憧れや風習が現代の私たちの生活にも大いに影響しているからだと思います。
茶道もそのひとつ。
お正月になると新年を祝う「初釜式」が各お家元で開かれ、その様子をニュースなどで目にします。
そこでずらりと並ぶのは総理大臣をはじめとする政界や財界の重鎮。
総理大臣になる人は有無を言わさずお茶を嗜まないといけないなんて大変だなぁ、なんて素人ながらに思ってしまいます。
また、茶席に並ぶのは圧倒的に男性が多い印象です。
浅い知識ながらも茶湯にまつわる展覧会や書籍などを見てみると、そこでも主役となるのは男性。
それも時代を動かすような偉人たちは皆、茶道を嗜み、茶会を開き交流を図っている様子です。
「道具に凝る」という点でも、世が世なら命と引き換えにして扱われていた道具。
近世でも財閥などの男性がこぞって世界各地の骨董に魅せられ自慢の道具を茶会で披露している記録が残っています。
一昔前までは茶道は「花嫁修行」の筆頭であったようでしたし、その名残もあってか現在の茶道人口も圧倒的に女性が多いそうですが、歴史的に見ると昔からお茶は男性の嗜みだったようです。
もちろん現代は男性も女性も関係なく茶道を楽しめる時代。
(現代に生まれて良かったと心からそう思います!)
SOU・SOUはもちろん男性スタッフもお茶のお稽古に通っており、SOU・SOU傾衣の川勝店長は毎回傾いてお稽古しているそうです。
SOU・装でのお点前も100年続けば、新しい文化になるかもしれませんね。
《つづく》
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
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かつて一度だけ、祖父がグッドデザイン賞を受賞したことがあります。
(京都・光悦寺と新日本製鐵株式会社と共同出品)
伝統建築を継承する数奇屋建築は、現代的なハイカラなデザイン賞とは程遠い印象ですがその際の受賞は
「お寺のチタン屋根」
というもの。
「チタン」と言うと自動車や宇宙開発、医療分野でも使用される金属。
そのチタンを瓦や銅板のかわりに屋根材に使用した、というものでした。
お寺だけではありません、チタンをお茶室の屋根に使用することを祖父は熱心に研究していました。
屋根は常に風雨に晒され厳しい環境下で徐々に劣化していくもの。
建物を傷ませる最大の原因は雨漏りであり、一度、雨漏りをすれば建物の耐久年数はぐっと短くなってしまうことを憂いていました。
数十年ごとに屋根を葺き替えるコストも膨大となれば継承していくことも困難になっていきます。
▲新日鐵住金株式会社 茶室フォーラムの際のパネル展示
《https://www.titan.np-nippan.co.jp/chashitsu_forum.html》
チタン屋根のメリットは長持ちして環境に優しいという点。
銅葺きの屋根と違い、腐食や錆もなく他の材や薬品にも反応しません。
私が驚いたのは、よく見かける銅板葺きの屋根は雨が降ると成分が溶け出し、銅の殺菌力で露地(茶庭)の苔の育成に影響するということ。
露地に瑞々しく茂る苔は何気ない景色の一部ですが茶庭には欠かせないもので、季節や環境に左右されやすい非常にデリケートなものです。
大切な苔の育成に影響するとなれば、屋根を全部チタンに変えれば良いじゃない!
と、なりそうなものですが、そうはできないデメリットもあります。
一番のデメリットはコストがかかること。
チタン屋根の寿命は約200年と言われていますので、その年数分のメンテナンスを考えれば突飛な金額ではないと言われても、自分の代で200年分のメンテナンス代を補うのもなかなか大変なのも現実。
そして、まだまだ実績が少なく近代の製品であるために文化財として認められていないのも今後の課題です。
ですが、これからの茶室の屋根のスタンダードになる時が来るかもしれません。
《つづく》
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
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「お茶って興味はあるんですけど、一回やりはじめたら同じところにずっと通わないといけないじゃないですか・・・やめられない感じも怖いし」
知人との何気ない世間ばなしだったのですが、この言葉はとても率直な感覚だと思います。
「道」である以上、単なる習い事ではなくある種の修練のような面もあるのではないか?
真理を極め追求する、そんな心構えが求められているのではないか?
そこまではちょっとねぇ・・・。
そんな「気」が、より敷居を高く感じさせてしまっているような感じがします。
もちろん、そういった茶道の精神が今日までの茶道文化の礎になっていることは間違いありません。
私はご縁あって良い先生に出会い楽しくお稽古をしていますが、そうでない場合ももちろんあると思います。
何ごとも「はじめて」で大切なのはポジティブな印象ですね。
SOU・SOUのスタッフはほぼ全員が茶道未経験で入社してきます。
まさかお茶のお稽古に通うなんて想像だにしなかったスタッフもいるでしょう、いやほとんどがそうだと思います。
それに加え、お茶のお稽古に対して楽しいイメージを持つ方が少数派かもしれません。
SOU・SOU代表の若林はそんな「食わず嫌い」を諭すような親心で「楽しいお茶」を知ってほしい。
とSOU・SOU茶室を作りました。
SOU・SOU茶室が完成し、ここでお稽古がはじまって約1年。
お稽古の様子を写真で見たり、スタッフ間での会話になったりとお茶のお稽古が特別なことではなく、SOU・SOUでの日常に溶け込んでいるのを感じます。
▲普段のほんわかした雰囲気とは違い真剣な眼差しの中島。
普段とは違う様子を垣間見ることができますね。
▲さすが瀬野店長は所作やお辞儀が美しい。
人の所作を見て学ぶことも大事なお稽古だと感じます。
そして、実はこの様子が一番気になっているのはこの茶室を作った私の父。
何かにつけて度々、「茶室、使ってる?」と私に尋ねてきます。
私はこのお茶室でのお稽古はしていないので、いつも適当な返事ばかりしてしまうのですが、
茶室を作った後どうなったかが気になるというよりも、実際に使っていることが嬉しいようです。
ですので、このお稽古の様子を父に見せて喜ばせたいと思います!
《つづく》
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