毎日更新!SOU・SOU読本
本日は日曜日、数寄屋大工一家の箱入り娘&SOU・SOU傾衣の看板娘、寺田由のコーナーです!
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昨年の年の瀬に嬉しいニュースが舞い込みました。
「伝統建築工匠の技 ユネスコ無形文化遺産登録へ」
伝統工匠の技とは、木造建造物を受け継ぐための伝統技術のこと。
日本独自の屋根をふく技術や建具や畳の製作など数の伝統技術で構成されているそうです。
▲こけら葺(ぶき)屋根・名古屋城本丸御殿復元現場(2014年)
日本は昔から台風や地震など自然災害の多い風土ですが、全国各地に何百年も前から今も現役の木造建築がたくさんあります。
もともと考えられた構造もさることながら、修復したり復元したりしながら守り繋いできた技術も今回の評価の対象になったようです。
近年では大地震のたびに「木造建築は脆い」という風潮が広がり、木造建築の存続が危ぶまれていました。
しかし、今回の無形文化遺産登録をきっかけに日本の木造建築の文化をより多くの方々に知っていただけるキッカケになれば、日本の木造建築の未来が変わるかも知れません。
色々なニュースに紛れてしまいましたが、「和食」や「歌舞伎」と同じように日本が世界に誇れる文化として周知されれば嬉しいです!
寺田 由
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それでは、また明日。
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店舗でお会計時に、以下に掲載している「今日の合言葉」を
言って頂くと、1ポイント差し上げます。(1日に1ポイントのみの進呈です)
毎日変わりますので、ご注意ください。
尚、これは店舗のみのサービスとさせて頂きます。
あしからず御了承願います。
今日の合言葉は 「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
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新年最初の日曜日、数奇屋大工一家の箱入り娘&SOU・SOU傾衣の看板娘、寺田 由のコーナーです!
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皆さま、明けましておめでとうございます。
お正月はいかがお過ごしですか?
家族でゆっくりお過ごしの方も多いのではないでしょうか。
我が家も元日は自宅でのんびり過ごすのが恒例です。
と言うのも、昔から大工仕事はお盆とお正月しか休みがありませんでした。
ですので普通のお勤めよりもちょっと長めに七日まで休み、八日から仕事始めです。
祖父が健在だった頃は、元旦に揃って茶室で自慢の道具を並べてお茶をいただくのが恒例行事でした。
弟子たちも帰省し、普段は忙しない祖父もお正月には着物を着て自宅で寛いた姿が思い出されます。
この頃はなんでもつい簡素化してしまうことが多いですが、ずっと残したいと感じる日本文化がお正月には多いですね。
お正月はそんな日本文化をより身近に感じる良い機会なのかもしれません。
さて、今年も茶室や家業もあれこれにお付き合いいただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
本日もおまけ。「ジャパネスク村のわらべうた はねつき」
それでは、また明日。
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今日の合言葉は 「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
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この時期のお茶席でよく見かける掛け軸に「無事」と書かれたものがあります。
この「無事」は私たちが日常でよく使う意味とは違い、禅語で人間の真理を説くような意味があるそうなのですが、まだまだ若輩の私には難しいことが分かりません。
ですのでこのお軸を眺めるたびに
「おかげさまで今年一年も無事に過ごせました」
と素直に感謝の気持ちが湧いてきます。
特に今年は「無事」という言葉に様々な想いが募りますね。
さて、今年最後の「茶室彼是」ご覧いただきありがとうございます。
拙い文章ではございますが、来年もお付き合いいただけましたら幸いでございます。
一足お先に、どうぞ皆さまよいお年をお迎えくださいませ。
寺田 由
茶室彼是【1】
茶室彼是【2】
茶室彼是【3】
茶室彼是【4】
茶室彼是【5】
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それでは、また明日。
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ある日、父に見せてもらった古い箱。
箱裏を覗くと有名な茶室の名がずらりと連なっており
箱の中にはA4サイズぐらいの紙の包みがたくさん入っています。
包みを開け、
折りたたんである紙をそっと立てると、、、
なんと茶室が完成。
この飛び出す絵本のようなものは「起絵図(おこしえず)」と言われるもので、昔からある茶室の折り畳み式立体模型です。
小さな字で細かい寸法の記載もあり、これだけで原寸大の茶室も建てられるアナログながらも精巧に作られた小さな小さな茶室。
一見、どこも同じような間取りでないのかと思う茶室も、こうして立体にして見るとそれぞれの間取りに個性があることに気がつきます。
今のようにネットもスマホもなかった時代は、茶人や大工たちがこの起絵図を見て建物を研究したり想像したことに違いありません。
ちなみにネットもスマホもあまり得意ではない父にも、この起絵図を見て設計の参考にしたりするのかと尋ねたところ
「こんなん見んでも頭の中でできてるわー」
と、即答されました。
なんともつれない答えでしたが、これも職人気質?頼もしいということにしておきましょうか。
寺田 由
茶室彼是【1】
茶室彼是【2】
茶室彼是【3】
茶室彼是【4】
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それでは、また明日。
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今日の合言葉は 「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
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「茶室ってそんなに需要があるの?」
素朴な疑問、とてもよく尋ねられます。
周りに家を建てる人はいても茶室を建てる人はいませんよね?
私の実家に限れば茶室以外の仕事の方が多い時もあります。
例えば、社寺建築や文化財の修復など、木造建築であれば基本的になんでもやります。
祖父が生涯で手掛けた茶室は大小合わせて70以上あったそうです。
それと比べると父が手掛けた茶室は祖父ほどは多くはありません。
茶道人口減少、景気などの時代背景が要因ですが、現代には現代ならではの「茶室のカタチ」があります。
例えばこちら
▲カーサブルータス 2008年5月号
マンションの中に建てられた茶室。
クローゼットのようなパーテーションを開けると茶室が現れます。
茶室の面が見えるのと見えないのでは空間の使い方や印象が随分と変わります。
そして、こちらは東京・青山店のすぐそばにある根津美術館。
▲GA JAPAN No.101
建築家の隈研吾さんの手によってリニューアルされた際に手掛けたのが展示室内の本格的な茶室ケース。
茶道具などを展示するため、鑑賞しているお客さんの目線が畳に正座した時の高さになるように設計されています。正座せずとも茶室の空間を楽しめるのが良いところ。
最後に、こちら。
2年前に東京で行われた建築の展覧会。
地上250メートルに造られた「待庵(たいあん)」という茶室の模型です。
何百年も変わらないようでいて、時代によって周りだけが変化している茶室。
眼下に広がる東京の景色は千利休が見る事のなかった現代ならではの光景です。
利休さんが現代にいたらなんと言うでしょうか、想像するのも楽しいですね。
寺田 由
茶室彼是【1】
茶室彼是【2】
茶室彼是【3】
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それでは、また明日。
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私が幼い頃、家には「丁稚(でっち)さん」と言われる住み込みの若い衆が多い時で5人ほど同居して食住を共にしていました。
食卓でも親方と丁稚さんの間には一本ピンと糸を張ったような緊張感があり、普通の食卓とは少々違う雰囲気だったかもしれません。
「仕事は手取り足取り教えてもらうものではなく見て覚えるもの。」
昔の職人の世界にはそんな空気があったようです。
現在は父と兄が2人で大工仕事を続けており、親子と言えどもそこは親方と職人。
仕事上の関係性は、私でも計り知れないものがあります。
兄は幼い頃から大工道具をおもちゃ代わりに当てがわれていたことも影響してか?自ら大工の道に進む事を決めたようですが、我が家に限らず昔から続いていることを担っておられる方は様々な工夫を重ねておられると思います。
「うちは後継者がたくさんいるので安泰です!」
という言葉はどこの業界でもあまり耳にしたことがありませんね。
数寄屋大工も御多分に洩れず子供たちが憧れる職業ではありませんし、華やかな世界とは無縁です。
伝統をアップデートしながら続けていく、とりわけ「技術」を受け継ぐということの厳しさを感じることは多々ありますが100年、200年と残る建物を造る父や兄の姿は少し誇らしげでもあります。
寺田 由
茶室彼是【1】
茶室彼是【2】
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それでは、また明日。
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今日の合言葉は 「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
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本日は日曜日ですね。
家でまったり過ごす人も多いかもしれませんね。
というわけで寺田のコーナーです。
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そもそも・・・茶室は何のための空間なのでしょうか。
掘り下げて考えたことはありませんでしたが、最近になり茶人でもあった祖父が雑誌のインタビューに答えている記事を見つけました。
そこで祖父はこう答えています。
「茶事は一連のドラマです。亭主が客を招いて一期一会の出会いをする。
その出会いのために亭主の動き、客の動きは念入りに計画されたものでなくてはなりません。そして茶室というのは、その茶事を行う場所なのです。」
※家庭画報 2003年6月号 世界文化社
「茶事」とは懐石(食事)やお酒を振る舞った後にお茶で客をもてなす、言わばお茶のフルコース。
亭主(主催者)は茶碗や棗(なつめ)など茶道具の組み合わせを考え、掛け軸を選び、季節の花を生け、お菓子や料理、季節や当日の天候に至るまで全てを計算し準備します。
茶事の当日、亭主は心を尽くして客をもてなし、招かれた客はその想いに応えます。
「一期一会」とはその場で互いの想いが通じたときの一瞬の出会いのことなのでしょう。
そんな場面の舞台となるのが「茶室」というわけです。
「おもてなし」
という言葉を近頃はよく耳にしますね。
「おもてなし文化」は茶の湯から始まったと言われています。
知らず知らずのうちに日本人の中には「おもてなし」の精神があるのではないでしょうか。
お茶なんて縁遠いものだと思っていても、きっと誰の心の中にもそのエッセンスがあるはずです。
寺田 由
茶室彼是【1】
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それでは、また明日。
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本日から新コーナーが始まりました。
いつもインスタライブに出ている寺田のコーナー。
彼女のもう一つの得意分野、それは「茶室」。
誰でもが楽しめるSOU・SOUらしい茶室のあれこれをお届けいたします。
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「うちは宮大工じゃなくて数奇屋大工やねん。」
世の中にどんな大工さんがいるのかも分からないうちから、生意気にも一丁前に口にしていた言葉。
「数奇屋(すきや)大工」という言葉、子供ならずも馴染みのない方がほとんどではないでしょうか。
数奇屋大工とは「茶室を造る大工」のことです。
※ちなみに宮大工は神社やお寺を造る大工のこと。
私の実家は「数奇屋大工(すきやだいく)」を生業にしております。
祖父、父、そして兄で3代目です。
幼い頃は薄暗く狭い空間が秘密基地のようだったお茶室。
大人になった今は、確かに幼い頃から存在する馴染みのある空間ではありますが、同時にとても不思議な空間でもあります。
▲自宅茶室(小間)
華奢な柱の頼もしさ
凛とした障子
土壁の深さ
畳のしなやかさ
どれも自然にあるもので造られ
千利休の時代からほとんど変化なく今も存在する空間。
とてもシンプルなものが持つ偽りのない空気感に圧倒されてしまいます。
皆さんのお茶室のイメージはどうですか?
畳を敷いた和室?
時代劇に出てくるような薄暗い空間でしょうか。
知ってるようで知らない茶室のあれこれ・・・
暫し付き合いいただけましたら幸いです。
寺田 由
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それでは、また明日。
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今日の合言葉は 「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
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本日は日曜日!数寄屋大工一家の箱入り娘、寺田 由のコーナーです!

前回の「茶室彼是」では、「数寄(すき)」という言葉についてご紹介しました。
詳しくはコチラ→★
茶室は「数寄屋(すきや)建築」と呼ばれています。
「数寄(好き)」を極めた人のことを「数寄者(すきしゃ)」。
なぜ茶室は「数寄屋」なのでしょうか。
そんな疑問にヒントをくれたのが、岡倉天心の『茶の本』という一冊。
この本は、明治時代に岡倉天心がニューヨークで刊行した、
茶道の観点から日本文化を紹介した英語の本。
いわば逆輸入で今日の私たちが日本語で読むことができる、少し不思議な来歴をもつ一冊でもあります。
(手元の本は、1982年刊行のものを古書店で見つけました)
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数寄屋(茶室)=好き家
(※牛丼屋さんではありません)
つまり「持ち主の美意識や好みによってつくられる小屋」という意味合いだそうです。
でも、茶室こそ決まりの多く研ぎ澄まされた空間!という印象があるのですが、どうなんでしょうか。
その真意を岡倉天心先生に聞いてみましょう。
岡倉天心は日本の茶室を
「質素で不完全、しかし自由で平等な空間」
として捉えました。
西洋文化では巨大で豪華、物質的な進歩を象徴するような建築物が象徴的な印象ですが、それに対して日本の茶室は質素で不完全であるからこその美しさがあるといいます。
“茶室は見たところ、なんの印象も与えない。
それは日本の一番狭い家よりも狭い、
それにその建築に用いられている材料は清貧を思わせるようにできている。
しかしこれはすべて深遠な芸術的思慮の結果”
簡素であることは、むしろ手間と精神を注ぎ込んだ空間。
日本人にとっての美とは、物質的な豊かさではなく、精神的な豊かさ。
地味であるけれど、それこそが贅沢でもある。
それが茶室なのだと改めて感じさせられます。
最後に、岡倉天心はこんな言葉を残しています。
“今日は工業主義のために、真に風流を楽しむことは世界の至るところますます困難になっていく。
われわれは、今まで以上に茶室を必要とするのではなかろうか。”
『茶の本』が出版されたのは、日本が急速に西洋化し近代国家へと進んでいた時代。
その時すでに岡倉天心は「日本人には茶室が必要だ」と語っていましたが、この言葉は情報と物質にあふれた現代を生きる私たちにもそのまま響きませんか?
まだまだ数寄屋というものが日本人に十分に知られているとは言えないと思うと、まだまだこれからも発信していかなければ!と意気込んでしまいます。
さて、年の瀬でございます。
今年も一年、不定期な「茶室彼是」や「SOU・SOUあれこれ」にお付き合いいただき、誠にありがとうございます。
コメントをいただいたり、ご来店の際にお声がけいただき、何よりの励みになっています。
拙い文章ではありますが、来年もお付き合いいただけましたら幸いです。
それでは皆さま、
良い新年をお迎えくださいませ。
《つづく》
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
・店舗でお会計時に、〔今日の合言葉〕を言って頂くと、1ポイント差し上げます。
(1日に1ポイントのみの進呈です)
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日本語には他言語にはない独特の美しさがあると言われています。
私たちが意識的に理解できても、言語化がしにくい日本語ーーー
茶道の世界で用いられる「侘び寂び(わびさび)」はその代表例ではないでしょうか。
正確な定義は曖昧だけど「茶道=侘び寂び」とイメージできる日本人は多いと思います。
そんな言葉のひとつに「数寄(すき)」という日本語があります。
ちなみに・・・
東京にある有名な「数寄屋橋(すきやばし)」は織田信長の弟である織田有楽斎(うらくさい)が建てた茶室があったためと言われています。
もともと「数寄」とは「好き」と同義であり、その「好き」を極限まで追求した人たちが「数寄者(すきしゃ)」と言われる人たちです。
「数寄者」は、茶道具を収集・所有し、茶の湯の美学を深く愛する人。
私は茶湯を愛しすぎた変わり者が多い・・・と思っています。(個人の感想です)
欠けた茶碗や歪んだ椀といった一見不完全なものに価値を見出して、その美しさを高め、
完璧な美よりも、不完全で独特な美を好んだようです。
「この子(茶碗)が生きた証」と言って生涯、お気に入りの茶碗のカケラを懐紙にに包んで持ち歩いたとか(「この子」とかちょっと引く)
本職の重要な役員会議よりも茶会の準備を優先させたとか・・・(今なら臨時株主総会必至です)
「殿、茶碗に魂を抜かれています」と家臣に心配されたお殿様がいたとか、いなかったとか。(暴動が起きそうです)
変人エビソード、おっと失礼!
『偏愛エピソード』は今もなお語り継がれています。
しかし、そんな数寄者たちによって今も日本の文化的レベルが維持されているのも事実。
かつて鉄道王と呼ばれた根津財閥の創始者、根津嘉一郎は多くの日本美術が国外へ輸出されていた時代に、
「この国の美術は、個人が守らないと散逸する」
という信念のもと、膨大な資金を注ぎ込んで古美術を買い支えました。
そういったエピソードもあって現在も根津美術館には国内随一の国宝や重要文化財が収蔵されています。
数寄の精神には、単なる趣味や好みではなく対象を深く愛し極めることの価値と、美の見方の多様性が表れているように思います。
その愛と大胆な功績の積み重ねが、今日の茶道文化を支えているんですね。
《つづく》
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
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